JR東海、通期営業益予想を550億円上方修正 年間配当34円、自社株買い100億円

2026年10月28日 16:14

今回のニュースのポイント

JR東海は2027年3月期の通期営業利益予想を従来の7,020億円から7,570億円へ550億円引き上げました。2026年4~9月期は東海道新幹線の利用が堅調に推移し、売上高が前年同期比3.1%増加した一方、費用増などで営業利益は1.5%減少しました。同社は年間配当予想を32円から34円に増額するとともに、最大100億円の自己株式取得と取得株式の全数消却を決め、株主還元を拡充します。

本文
 東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は2026年10月28日、2027年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、営業利益予想を従来の7,020億円から7,570億円へ550億円引き上げました。売上高(営業収益)予想についても従来の1兆9,930億円から2兆490億円へ560億円上方修正しています。あわせて、年間配当予想を従来の32円から34円へ増額し、上限100億円(最大360万株)の自己株式取得および取得全数の消却を発表しました。

 同日発表した2026年4~9月期(中間期)の連結決算は、売上高が前年同期比3.1%増の1兆129億円、営業利益が同1.5%減の4,471億円、経常利益が同0.1%増の4,259億円、親会社株主に帰属する中間純利益が同3.2%減の2,884億円となりました。運輸収入の増加や流通・ホテル事業などの伸長により増収を確保したものの、労務費をはじめとする営業費用の増加が売上増を上回り、営業利益および最終利益は前年同期を下回る結果となりました。

 中核を担う東海道新幹線の輸送実績(輸送人キロ)は、前年同期並みの302億3,800万人キロとなりました。会社は東海道新幹線の利用が堅調に推移したと説明しています。同社は需要に応じて「のぞみ」を1時間最大13本運転する弾力的な列車設定や安全対策を進めています。主力の運輸業セグメントは、営業収益が前年同期比1.2%増の8,282億円となった一方、営業利益は同2.5%減の4,174億円となりました。

 今回の通期業績予想の修正は、中間期の実績推移などを踏まえたものです。修正後の通期予想は、売上高が前期比2.1%増の2兆490億円、営業利益が同8.8%減の7,570億円、経常利益が同8.4%減の7,150億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.9%減の4,870億円を見込んでいます。期初計画からは営業利益が7.8%引き上げられたものの、前期実績(営業利益8,301億円)との対比では減益見通しが継続しており、増益への転換を示すものではありません。

 業績予想の修正に伴い、株主還元の拡充も公表されました。2026年9月30日を基準日とする中間配当は、従来予想の16円から1円増額の1株当たり17円(配当金総額約162億円、効力発生日2026年12月1日)に決定しました。期末配当予想も16円から17円へ引き上げ、年間配当予想は34円(前期実績32円)となります。さらに、資本効率の向上と株主還元を目的として、上限360万株(発行済株式総数の0.38%)・最大100億円の自己株式取得を決議しました。取得期間は2026年11月2日から11月30日までで、取得した自己株式は2026年12月15日付で全数消却する予定です。

 同社は長期的な国家プロジェクトである中央新幹線計画を推進しており、品川・名古屋間において南アルプストンネル山梨工区の本坑貫通や、静岡県との自然環境保全協定締結など各地で準備・工事を進めています。2026年9月末時点の総資産は10兆9,790億円、自己資本比率は48.6%(前期末比2.0ポイント上昇)に達し、長期債務残高は4兆7,345億円となっています。リニア建設に伴う巨額の設備投資を継続的に進めながら、安定配当の維持と自己株式取得による資本政策を両立させています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)