日清製粉G、通期売上予想9,000億円に上方修正 最大200億円の自社株買い決定

2026年10月28日 16:24

今回のニュースのポイント

 日清製粉グループ本社は、2027年3月期の通期売上高予想を9,000億円へ上方修正しました。2026年4~9月期は米国の製粉事業における出荷増や円安による為替換算影響などで売上高が前年同期比2.4%増加しましたが、営業利益の伸びは0.8%にとどまりました。同社は株主還元の拡充に向け、最大200億円、発行済株式の5.00%を上限とする自己株式取得も決定しました。

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 株式会社日清製粉グループ本社は2026年10月28日、2027年3月期の通期連結売上高予想を上方修正し、従来予想の8,700億円から9,000億円(前期比4.0%増)へ300億円引き上げました。あわせて、取得価額総額最大200億円、取得株式総数上限1,400万株(発行済株式総数〈自己株式除く〉に対する割合5.00%)とする自己株式の取得を決議しました。一方、通期の営業利益予想460億円、経常利益予想490億円、親会社株主に帰属する当期純利益予想410億円については、期初計画を据え置いています。

 同日発表した2026年4~9月期(中間期)の連結決算は、売上高が前年同期比2.4%増の4,417億56百万円、営業利益が同0.8%増の228億23百万円、経常利益が同3.0%減の240億36百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同75.8%増の181億54百万円となりました。営業利益の増益額は約1億90百万円の微増にとどまった一方、最終利益が大幅に伸長しました。これは政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益約43億円の計上に加え、前年同期に計上していたインドのイースト事業に係る減損損失約87億円の反動が主な要因です。

 中間期の増収を牽引したのは海外事業ですが、その背景には円安による為替換算の影響が色濃く反映されています。中間期の海外売上高は前年同期から約200億円増加して1,416億円となり、海外売上高比率は28.2%から32.1%へと上昇しました。ただし、この増収額のうち約159億円(約8割)は為替換算影響によるものです。主力の製粉事業では米国の生産体制強化に伴う出荷拡大が進み、海外営業利益も前年同期の約70億円から約89億円へ伸長しましたが、ここにも約9億円の為替換算影響が含まれています。

 これに対し、国内事業では各種コストの高止まりが利益を圧迫する状況が続いています。国内売上高は前年同期から96億円減少して3,001億円となりました。国内製粉事業では小麦粉の出荷数量が前年を上回ったものの、輸入小麦の政府売渡価格引き上げや輸送費、人件費の上昇に対応した価格改定を進めています。また、中食・惣菜事業は天候不順による販売低調や原材料・物流費等のコスト上昇が響き、売上高が前年同期比3.7%減の811億83百万円、営業利益が同30.9%減の23億62百万円と減収減益を余儀なくされました。

 通期の連結売上高予想を従来の8,700億円から9,000億円へ300億円引き上げた要因について、会社側は期初想定よりも為替が円安基調で推移していることや小麦相場の高騰を挙げています。セグメント別では、海外製粉の280億円引き上げを主因に製粉事業全体を350億円上方修正した一方、販売低調が続く中食・惣菜事業は50億円下方修正しました。通期の営業利益予想(460億円)は据え置かれており、前期比では1.5%の営業減益を見込むなど、売上規模の拡大がそのまま本業の利益拡大には直結しない収益構造となっています。

 株主還元策として決定した自己株式取得は、信託方式による市場買付けで実施され、取得期間は2026年11月2日から2027年6月23日までを予定しています。なお、市場環境や投資機会の動向によっては一部または全部の取得が行われない可能性もあります。年間配当予想については、期初に公表した1株当たり65円(中間配当32円、期末配当予想33円)を据え置いており、前期実績の60円から5円の増配を予定しています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)