デンソー、売上7%増も営業利益19.5%減 電動製品伸長、部材費高騰が重荷

2026年10月29日 12:42

今回のニュースのポイント

デンソーが10月29日に発表した2027年3月期中間連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比7.0%増の3兆8,436億円、営業利益が同19.5%減の1,701億円となりました。車両販売の増加や電動化・安全製品の装着拡大で増収となった一方、部材費等の高騰や前年同期との比較における一過性要因の影響などが利益を圧迫しました。通期業績予想は売上収益7兆7,500億円、営業利益5,000億円の前回公表値を据え置きました。

本文
 自動車部品大手のデンソーは2026年10月29日、2027年3月期第2四半期累計(中間期、2026年4~9月)の連結決算(IFRS)を発表しました。売上収益は前年同期比7.0%増の3兆8,436億円(3兆8,435億5,000万円)となった一方、営業利益は同19.5%減の1,701億円(1,701億4,700万円)と増収減益となりました。営業利益率は前年同期の5.9%から4.4%へ1.5ポイント低下しました。親会社の所有者に帰属する中間利益は同8.8%減の1,198億円(1,197億9,400万円)でした。

 増収の主な背景には、国内外での車両販売の増加に加え、電動化関連製品や安全関連製品の装着拡大、さらに円安進行による為替の押し上げ効果があります。ただし、為替影響を除いた物量ベースでの連結売上収益の伸び率は1.7%増にとどまっており、円安による円換算額の増加が増収率を押し上げた側面もあります。

 製品別の動向では、電動製品と内燃製品の間で販売傾向の差が表れました。電動製品の売上収益は前年同期比9.7%増の5,804億円となり、為替影響を除く物量ベースでも同5.3%増と伸長しました。一方、内燃製品の売上収益は同2.1%増の7,226億円となったものの、為替影響を除く物量ベースでは同3.4%減とマイナスに転じました。また、安全・電子制御関連を含むモビリティエレクトロニクスの売上収益は同10.9%増(物量ベース6.2%増)の1兆1,107億円と堅調に推移しました。

 営業利益が前年同期比で約413億円減少した要因について、同社は前年同期比での寄与額による増減分析を開示しています。押し下げ要因としては、部材費等の高騰が970億円のマイナスとなったほか、人への投資(賃上げ等、取引先分含む)が270億円、将来に向けた開発投入が160億円、前年同期との比較における一過性要因の影響が380億円、構造改革が50億円、価値創造基盤投入が40億円の負担となりました。一方、押し上げ要因として合理化努力が972億円、為替差益が280億円、操業度差益が205億円寄与したものの、コスト増を完全には相殺できず減益となりました。

 2027年3月期の通期連結業績予想については、前回公表値を据え置きました。売上収益は前期比2.8%増の7兆7,500億円、営業利益は同9.5%減の5,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同13.9%減の3,820億円を見込みます。同社は、部材費高騰や操業度差損の影響が残るものの、円安の進行や合理化努力によって相殺できると説明しています。下期(第3四半期以降)の前提為替レートは1ドル=153.0円、1ユーロ=180.0円を想定しています。

 株主還元策として、年間配当予想は期初公表の74円(中間配当37円、期末配当予想37円)を維持しました。あわせて、資本効率の向上を目的として、取得総額2,000億円または1億株を上限とする自己株式取得の実施、および保有する自己株式4億株の消却を決定しました。

 投資計画では、通期の研究開発費として前期比2.2%増となる7,050億円(売上収益比9.1%)、設備投資として4,000億円を計画しています。なお、同社は日本特殊陶業と進めていたスパークプラグおよび排気センサー事業の譲渡契約について、モビリティニーズの多様化を踏まえた戦略再検討により譲渡中止・契約解約で合意したことを10月2日に発表済みです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)