ソシオネクスト、通期営業益予想を155億円に上方修正 中間期は開発投資負担で55.7%減益

2026年10月28日 16:42

今回のニュースのポイント

ソシオネクストは、2027年3月期の通期売上高予想を2,250億円、営業利益予想を155億円へ上方修正しました。上期の為替レートが当初想定より円安で推移したことなどを反映しています。一方、2026年4~9月期は車載向け製品やデータセンター関連の設計開発売上が増え、売上高が前年同期比14.0%増加したものの、製品構成の変化や研究開発費の増加により営業利益は55.7%減少しました。

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 カスタムSoC(システム・オン・チップ)大手のソシオネクストは2026年10月28日、2027年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、売上高予想を従来の2,150億円から2,250億円(前期比12.0%増)へ100億円、営業利益予想を従来の140億円から155億円(同25.5%増)へ15億円それぞれ引き上げました。経常利益予想も155億円(同31.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益予想も105億円(同20.2%増)に見直しています。会社側は、上期の実績為替レートが当初の業績予想で前提とした水準より円安となったことなどを、業績予想引き上げの主な理由として挙げています。

 同日発表した2026年4~9月期(中間期)連結決算は、売上高が前年同期比14.0%増の994億23百万円、営業利益が同55.7%減の16億68百万円、経常利益が同19.8%減の22億40百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同25.9%減の15億26百万円となり、増収大幅減益となりました。売上高は伸長したものの、売上原価が同19.8%増の542億32百万円へと大きく膨らんだ結果、売上高営業利益率は前年同期の4.3%から1.7%へと2.6ポイント低下しました。

 中間期の売上高の内訳をみると、量産段階で計上される「製品売上」は車載向けや産業機器向けが伸びたことで前年同期比10.2%増の775億51百万円となりました。また、設計開発の進捗に応じて顧客から段階的に受領する開発費用相当の「NRE売上」は、データセンターおよびネットワーク分野向けを中心に同32.9%増の218億27百万円へと急拡大しました。先端分野における大型商談の開発進捗がNRE売上の拡大を牽引したものの、NRE売上に対応する開発費用も同時に発生するため、売上増がそのまま営業利益の直結要因となるわけではありません。

 営業利益を圧迫した最大の要因は、製品構成の変化に伴う粗利益率の低下と先行開発費用の増加です。製品粗利率は前年同期の35.7%から30.1%へと5.6ポイント悪化しました。加えて、下期以降に本格化する北米データセンター向けおよび北米車載向け新製品の量産立ち上げに伴う試作関連費用や、先端プロセス技術への先行投資を高い水準で継続した結果、研究開発費は前年同期比16.8%増の338億25百万円に達しました。ただし四半期別では、第1四半期の約7億円の営業赤字から、第2四半期単独では製品売上の回復などにより約23億円の営業黒字(営業利益率3.9%)へと改善しています。

 新製品の量産準備に伴い、資金需要も拡大しています。中間期のキャッシュ・フローは、北米向け製品の出荷準備に伴う棚卸資産の増加(約134億72百万円)や売上債権の増加(約88億91百万円)などにより、営業活動によるキャッシュ・フローが47億53百万円の支出となりました。さらにレチクルやテストボードの取得などにより投資活動によるキャッシュ・フローも205億55百万円の支出となりました。同社は2026年7月にコミットメントラインの借入枠を従来の300億円から500億円へと拡大しており、9月末時点で棚卸資産の増加に対応するため81億円の借入を実行しています。

 通期の前提条件として、上期の実績平均為替レートが1米ドル=159.4円(前年同期は146.0円)だったのに対し、会社は下期の想定為替レートを1米ドル=130円としています。通期予想の営業利益(155億円)は前期実績(123億54百万円)に対し25.5%の増益を見込んでいますが、これはあくまで下期の量産本格化を前提とした計画値です。なお、年間配当予想については期初方針通りの1株当たり50円(中間配当25円、期末配当予想25円)を据え置いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)