東日本大震災から2年。復興を妨げてとなる資材の高騰

2013年03月12日 10:05

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東日本大震災からまる2年が経過したが、生コンクリートをはじめとする建設・土木資材価格の高騰が復興の妨げになっているようだ。(写真は2012年3月、宮城県石巻市にて撮影)

 東日本大震災からまる2年。復興庁の発表によれば被災地の電気、ガス、水道などのライフラインは、東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で立ち入り禁止区域などに指定された場所を除けば、ほぼ全域で復旧している。震災直後は全域で運休が続いた鉄道も太平洋岸の特に津波の被害が大きかったエリアを除けば、ストップしている路線はない。国道レベルの幹線道路もほぼ復旧しているようだ。

 あの日から2年、テレビ、ラジオでは盛んに特別番組が組まれた。新聞も震災関連記事が誌面の大きなスペースを占めた。そこではずいぶん進んだ復旧状況をある程度の評価しながらも、同時に「なかなか進まない復興」を伝えた。

 ところでほとんどのメディアが、復興が進まない理由のひとつに「資材の高騰」を上げている。では、どれほど資材が高騰しているのだろうか。一般財団法人経済調査会が発表するデータによると、仙台地区の生コンクリートの1立方メートルあたりの価格は、2013年2月の調査で1万2000円。この価格は東日本大震災前の同地区の生コン価格と比べて4000円ほど高い。昨年6月の調査結果と比べても1000円も値上がりしている。土木関連でも建築分野でも生コンクリートは大量に使う資材のひとつ。必要量にかかる金額は震災前に比べてはね上がっている。しかも「需要状況はひっ迫している」という。

 そのほかの建設・土木資材も状況はおおむね同じようなものだ。需要過多で、高騰し、供給不足はそれでもまるで解消しないから、さらに高騰する。この悪循環が復興を妨げているのは確かなようだ。政府では経済対策として公共事業・工事に力を入れるというけれど、各地で土木工事が盛んに行われるようになれば、生コンに限らず被災地での復興資材の不足にさらに拍車をかけることにつながりはしないだろうか。もちろん資材不足ばかりが被災地の復興の妨げの原因ではないのだが。(編集担当:帯津冨佐雄)