何を訴え、今、政権党足り得るのか踏まえ判断を

2013年03月13日 16:52

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安倍晋三総理はTPP交渉参加を今週にも表明するもようだが、自民党の石破茂幹事長は「何を訴え、今、政権党足り得るのか踏まえ」判断を行うよう政府に伝える考え。

 安倍晋三総理はTPP交渉参加を今週にも表明するもようだが、自民党の石破茂幹事長は「何を訴え、今、政権党足り得るのか踏まえ」判断を行うよう政府に伝える考え。

 石破幹事長は12日に都内・日比谷野外音楽堂で開かれた「国益を守れないTPP交渉参加断固反対緊急全国集会」に党を代表し参加しており、記者会見でも「選挙の時に申し上げた公約、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加に反対するのみならず、『国民皆保険を守る』や『政府調達』や『ISD条項』など都合6項目を掲げている」とし、「これは、私どもとして、公約に反するような交渉というものは交渉することになっても行わない。政府が交渉参加を決めるにあたって、我々が何を訴えて、今、政権党足り得るのかということをよく認識すべきであるということを政府に伝え、そして、政府がそれを受けた形で判断するということで党としてのスタンスを明確にしたい」と断言した。

 石破幹事長は「仮に参加することになったとしても、交渉は加速されることになるが、わが国として守るべき国益というものがある。守るべきものは守る。取るべきものは取るということにあたって強い交渉力がなければ取るものも取れない」と述べ、安定した政権基盤での長期政権が交渉力増強に必要との認識も強調した。

 TPP交渉参加断固反対緊急全国集会では「我々の切実な声は総理に届いているのか極めて疑問」とし「政府の考える守るべき国益とは一体何なのか、全く判然としない。日米共同声明をもって政権公約で示された6項目の判断基準が満たされたとは到底考えられない。このようななかで、拙速に交渉参加に突き進むことには、断固として反対」との決議も採択した。自民党内での交渉参加への賛否が収束できるのか。安倍総理にとって、交渉参加表明は日本の国益を守り、増幅させる責任を全面的に背負うこととなる。夏の参議院選挙も絡んで、党内の賛成派、反対派の鬩ぎ合いもつづく。(編集担当:森高龍二)