村田製作所はこの度、業界初となる、安全規格認定自動車用セラミックコンデンサ「DE6シリーズ タイプKJ」を商品化した。既に、今月より量産を開始している。
「安全規格」とは、セット機器や電子部品が原因となる災害発生を防ぐために定めた規格または規制のことで、これに認定された自動車用セラミックコンデンサとしては、業界初の商品となる。
日本国内のみならず世界各国で、政府・電力会社が中心となってプラグインハイブリッド車(PHV)・電気自動車(EV)の実用化・活用が推進されている。快適で安全なイメージのあるエコカーだが、従来の自動車同様に安全への配慮は必要だ。PHV・EVは外部電源から直接充電するため、車載充電器の1次回路に直接接続されるコンデンサは外部電源からの高電圧サージを受ける可能性があり、耐電圧性能をもつセラミックス素子を用いることで対応している。また、車載用として求められる耐温度サイクル性能向上のため、新規樹脂材料を絶縁塗装した。国内・海外の商用電源(電圧100から240V、周波数50/60ヘルツ)での充電を想定した車載充電器ACラインフィルタやDC-DCコンバータのフィルタなどの用途に最適なコンデンサで、年間100万個の生産を目指している。
同製品は、各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関IEC(国際電気標準会議)の基準に基づいて定められた、アメリカのUL規格、及びヨーロッパのENEC(VDE)の安全規格にも合格して認証を受けており、海外市場での需要拡大にも期待が高まる。