企業の導入が相次ぐ「メガソーラー」事業

2013年03月30日 18:50

 2011年3月の東日本大震災以来、電力会社以外に一般企業や地方自治体がメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する事例が増加している。メガソーラーは火力発電や原子力発電に比べて、環境への影響が少なくメンテナンスが容易、建物屋上にも設置できるなどのメリットが多い。また2012年6月に経済産業省が「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を発表したことで、電力会社各社は「太陽光、風力、地熱、水力、バイオマス」の5種類の再生可能エネルギーによる電力を、全量買い取ることが義務付けられた。そのような背景もあり、自家発電用はもちろん売買目的として、メガソーラーの普及は広がりつつある。

 そのような中、メガソーラー事業を目的に、合弁会社を設立する動きも出てきた。コスモ石油、昭和シェル石油、日本政策投資銀行の3社は、共同でメガソーラー事業に取り組んでいる。太陽光発電設備の運営管理および発電した電気の一般電気事業者への売電を目的とし、本年1月から一部着工し、年末から商業運転開始の予定だ。事業用地は、コスモ石油と昭和シェルの共有地である扇島石油基地跡地(神奈川県横浜市)のほかコスモ石油の日立油槽所跡地(茨城県日立市)等遊休地計8カ所で、昭和シェル子会社のソーラーフロンティア製の太陽電池を使い、計約26,000kWの発電設備を建設するという。

 また山田養蜂場は、2000年3月に自然エネルギー利用推進の一環として本社工場棟に60kWの太陽光発電システムを設置。以来10数回にわたる増設を実施し、本社・本社工場棟の屋上など現在791.61kWのシステムで稼働している。さらに2013年12月から中国地方最大級のソーラー発電所として、岡山県苫田郡鏡野町にある所有地の73,000㎡で新たにソーラーパネルを順次に設置する予定。年間約6,092,160kwhの発電を目指すという。

 深刻な地球温暖化の進行や電力の値上げ、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度の実施など、電力を巡るトピックスが持ち上がる中、これからもますますメガソーラー事業への取り組みは広がると考えられる。(編集担当:野口奈巳江)