使い捨てライターの収集運搬時にライター内に残っていたガスが原因となり、他のゴミに引火、火災が発生するなどの事故が起こっていることから、環境省と消費者庁が「使い捨てライターの収集・処理に関する実態調査」を全国99の市町村を対象に6月、7月に実施。86市町村から回答を得た。その結果が20日、発表された。
自治体からは「使い捨てライターを減らし、繰り返し使用できるライターを普及させること」や「簡単にガス抜きができる構造のライターに改善する」など、ライターそのものへの改善提案も寄せられていた。
使い捨てライターについては、子どもが火遊びに使用して火災事故を起こすなどの問題が発生していることから、経済産業省では子どもが簡単に使えないように機構を施した新しいライターの導入を検討中で、このライターの導入とともに、従来のライターの販売を規制する方向で検討している(年内施行の予定)。
実施されれば、従来のライターの廃棄が一時的ではあっても大量に出ることも予想される。このため、使い捨てライターの収集、処理の実態を調べるとともに、有効な収集・処理事例を紹介できればと実施された。
その結果、収集時の分別区分では21件(25%)が「危険、有害ごみ」として扱っていたが、41件(48%)は不燃ごみとして扱い、14件(16%)は可燃ごみとしての扱いなど、自治体によって分かれていた。
また、危険、有害ごみとして扱っている自治体でも、専門業者に扱わせているのは2件にとどまった。
一方、多くの自治体(74件、86%)は市民に対し廃棄時にはガス抜きを要請していたが、廃棄の一部にガス抜きされていないものが混ざっていた場合の対処では、29件(45%)がそのまま収集していることが分かった。収集せずは8件(12%)にとどまった。
消費者庁や環境省では、清掃車などの火災事故は市民が市町村のごみ排出ルールに従っていないことが原因と考えられ、ガス抜きをはじめとして、ルールに従った排出方法を周知・徹底することが必要としている。
(編集担当:福角忠夫)