NYダウは138ドル安。前日のインテルやバンカメなど主要企業の1~3月期の決算がかんばしくなく、アップルをはじめITや金融など全般に軟調だった。18日朝方の為替レートはドル円が98円近辺、ユーロ円が127円台後半で前日よりもやや円高。取引時間前に発表された3月の貿易統計は3624億円の赤字で市場予測の4869億円より良かったが、そのせいでさらに円高が進行した。日経平均は110.67円安の13272.22円で始まり、13200円割れ寸前で下げ止まった後は徐々に値を切り上げ、午前11時過ぎには13300円台に乗せた。後場入り直後にはドル円98円台の円安をバックにTOPIXがプラスにタッチし、日経平均もプラス寸前の5円安まで戻したが、午後1時台に入ると再び97円台に戻ったため下落。13300円を割り込んで大引け直前にさらに一段安になり、結局162.82円安の13220.07円で取引を終えた。16日の終値と1円しか違わず2日で「行って来い」の形。TOPIXは-13.04の1122.97。売買高は43億株、売買代金は3兆709億円と1日で3兆円の大台に復帰した。
東証1部の値上がり銘柄は515で値下がり銘柄1086の半分しかなく、値上がりセクターは空運、証券、水産・農林、サービスの4業種だけ。値下がり幅が大きいセクターは電気・ガス、海運、鉱業、食料品、非鉄金属などだった。
日経平均マイナス寄与度1~3位はご存知の「御三家」で、ファーストリテイリング<9983>は450円安、ファナック<6954>は350円安、ソフトバンク<9984>は70円安で3銘柄合計で日経平均を40円押し下げた。メガバンクはみずほ<8411>は2円高だったが他2銘柄はマイナス。証券は野村HD<8604>は9円安で続落したが、それ以外は前日の好調さをそのまま持続し、SBI<8473>は76円高で12日続伸、岩井コスモHD<8707>は126円高で値上がり率5位、いちよし証券<8624>は98円高で値上がり率10位、松井証券<8628>は9円高、大和証券G<8601>は21円高でいずれも年初来高値を更新した。一方、電力株の下落はこの日も続き、値下がり率ランキング20位以内に東京電力<9501>、北海道電力<9509>、四国電力<9507>、関西電力<9503>が入った。どうやら前週からマネーゲームのおもちゃにされていたらしい。
不動産は上げた時間帯もあったが終値で上昇した銘柄は大手では住友不動産<8830>の15円高だけ。その代わりにストップ高の150円高で値上がり率1位になったよみうりランド<9671>、33円高の東京ドーム<9681>のような含み資産銘柄は元気だった。後場に不動産経済研究所から3月の「首都圏・近畿圏マンション販売動向」が発表され、新築マンション販売戸数は前年比48.4%増で7ヵ月ぶりに増加し、契約率は82.1%と最近まれにみる高率でこの春のマンションの売れ行きの良さが改めて数字で示されたが、すでに織り込み済みなのか大京<8840>は4円安、長谷工<1808>は3円安、明和地所<8869>は33円安、タカラレーベン<8897>は28円安と大手マンションデベロッパーの株価は反応しなかった。
為替は最後は円高で終わったので輸出関連銘柄は終値でマイナスが相次ぎ、東芝<6502>はアップルの株価下落も影響して21円安、シャープ<6753>は16円安。自動車もトヨタ<7203>は120円安、マツダ<7261>は8円安だった。10円安の三井物産<8031>、34円安の三菱商事<8058>など商社株も不振で、極東ロシアのLNG基地に参画するニュースがあった丸紅<8002>も6円安だった。その中でキヤノン<7751>の10円高、コマツ<6301>の13円高、テルモ<4543>の80円高あたりが健闘していた。
外食の日本マクドナルドHD<2702>は日経電子版にデフレの象徴「100円マック」の価格維持をついに断念し20円値上げするという記事が流れたが、株式市場では好感されて47円高で年初来高値更新。午前7時開店の早朝営業を打ち出したモスフードサービス<8153>もサービス向上を評価されて2円高だった。この日から競合他社の安値攻勢に耐えきれず牛丼並の280円への値下げに追い込まれた吉野家HD<9861>の株価が下落し、もたついたのとは対照的だった。
運航休止中のボーイング787型機についてアメリカ連邦航空局(FAA)が4月中に運航再開再開を許可する見通しで、日本では6月にも営業運航を再開できる見込み。ANAHD<9202>は7円高で売買高8位と買われ、JAL<9201>は35円高だった。問題になったバッテリーを供給するGSユアサ<6674>は21円高になったが、炭素繊維を供給する東レ<3402>は2円安、翼を作っている富士重工<7270>は7円安で終えている。
この日の主役は大いに買いを集めたゲーム関連、ネット関連銘柄。ゲームのDeNA<2432>は61円高で10日続伸し売買代金10位、グリー<3632>は90円高で値上がり率11位に入り売買代金も13位、ガンホー<3765>は「パズドラのニンテンドー3DS版投入」「MSCI指数採用か?」などの材料も出て9.40%高で年初来高値を更新した。コナミ<9766>も57円高だった。ゲームにも参入しているKlab<3656>はストップ高の100円高で年初来高値を更新し値上がり率2位。ゲームと情報サイトが2本柱のエイチーム<3662>は241円高で値上がり率9位に入った。日経新聞で配当性向を3割から7割に上げると報じられた宿泊予約サイトの一休<2450>は14.74%高で年初来高値を更新し値上がり率3位になっている。セガサミーHD<6460>は安倍内閣の要請に応えて社員の年収を3%上げると発表し49円高で年初来高値を更新した。「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん」から新しい成長ビジネスも生まれてくる。(編集担当:寺尾淳)