ネット選挙、セキュリティは大丈夫か

2013年04月21日 16:32

 19日に改正公職選挙法が成立し、インターネットによる選挙運動が解禁されたことで、有権者と候補者・政党との距離が近づくことが期待される一方、これまでにはなかった様々な問題が発生するのではないかと不安視する声もある。

 もっとも深刻で現実的な問題としてセキュリティの確保が挙げられる。とくに政党や議員、候補者の「なりすまし」には注意が必要で、メールやWebサイトでそれをやられて問題が起こってしまうと、今回の改正法自体の継続が危ぶまれることにもなりかねない。実際、フェイスブックやツイッターなどのSNSでは、芸能人や著名人に成りすます被害が多発しており、同じことが選挙中の候補者に対して行なわれてしまったらと考えると、ぞっとする。もちろん、こういった悪意のある「なりすまし」行為は犯罪だが、たとえすぐに摘発されたとしても、インターネットで一度発信された情報は、すぐに回収することはできず、候補者や政党にとっては計り知れないダメージを被ることになるだろう。

 そこで注目されているのが、「GMOグローバルサイン」などの認証サービスだ。同サービスは、候補者や政党が運営するWebサイトや、送信する電子メールなどが、なりすましではなく正規のものであることを、同社が第三者機関として確認し、電子証明書で利用者に提示するというものだ。具体的には、Webサイト上に専用のシールが表示され、サイト閲覧者がそれをクリックすることで正規のものかどうかを確認することが出来る。また、今回の改正法が施行されることで、今まで以上にインターネットやその周辺環境が選挙戦略的にも重要になってくるだけに、機密情報の搾取やホームページの改ざんなどのサイバー攻撃も、今まで以上に注意しなくてはならなくなる。

 例えば、情報漏洩対策はもとより、利用状況の掌握、メールの誤送信などの対策として、デジタルアーツの主力商品であるWebフィルタリングソフト「i-FILTER」および電子メールフィルタリングソフト「m-FILTER」などの導入が進むとみられている。同社の主力商品であるこれらのソフトは、全日本空輸やグンゼ、ポッカコーポレーションなどの大手企業をはじめ、群馬県高崎市役所、愛知県春日井市役所などの地方自治体、またインターネットイニシアティブや中部テレコミュニケーション、日立情報システムズなどの通信事業者も導入している実績と信頼性の高い製品だ。

 夏の参議院選挙に向けて、あまり時間はないが、WEBサイトの構築やSNSなどの展開だけでなく、こういったセキュリティ面での整備も早急且つ慎重に対策をとる必要がある。また、これらのインターネットセキュリティ需要の高まりを受けて、GMOグローバルサインやデジタルアーツなどの関連企業の動向にも注目が集まりそうだ。(編集担当:藤原伊織)