ロート製薬、2014年3月期は2ケタの増収増益を見込む

2013年05月15日 23:29

 ロート製薬<4527>は5月15日、2013年3月期決算を発表した。

 前期2013年3月期の決算内容は、売上高は1291億円で7.4%の増収となり、20期連続の増収を記録している。営業利益は143億円で5.5%の増益、経常利益は147億円で7.6%の増益だったが、当期純利益は80億円で1.2%の減益だった。年間配当は前々期から1円増配して17円9期連続増配とした。
 
 国内では2013年春の花粉飛散量が大きく増加したために花粉症対策の「アルガード」ブランドの売上高が過去最高を記録したほか、スキンケア関連の「肌研(ハダラボ)」が減収になっても機能性化粧品「オバジ」が新製品の投入効果で好調に推移。内服・食品関連では通販限定の成長期応援飲料「セノビック」が伸び、国内全体では5.0%の増収になった。海外では、アジアでは中国を中心に「肌研(ハダラボ)」、日焼け止め「サンプレイ」、男性用化粧品「Mentholatum Men」などスキンケア関連製品を積極的に販売展開して17.3%の大幅な増収になり、ヨーロッパは1.2%の増収。アメリカも目薬の「ROHTO cool」などアイケア関連製品が好調で0.8%の増収になった。
 
 利益面では売上高の増加に加え、販管費の効率化によりその売上高比の増大を抑える努力を行った効果が出て営業利益、経常利益は増益を確保し、過去最高益を更新したが、当期純利益については投資有価証券の評価損など特別損失を計上したため、減益となった。
 
 今期2014年3月期通期の業績見通しは、売上高は1420億円で10.0%の増収、営業利益は160億円で11.3%の増益、経常利益は163億円で10.7%の増益、当期純利益は103億円で27.4%の増益と、2ケタの増収増益が揃い、売上高は21期連続増収、利益は過去最高益を更新するという強気の内容。年間配当は前期から1円増配して18円10期連続増配を見込んでいる。
 
 収益の柱のスキンケア関連製品はビューティー関連品に注力して前期比伸び率を10.0%から15.6%に伸ばす。また内服・食品関連も、受託製造・販売を行う関連会社の目黒加工の静岡第2工場が本格稼働するのに合わせて、受託増や通販の拡大を通じて13億5000万円、伸び率にして8.3%の売上高の上乗せを図っていく。
 
 海外で最も期待するのはアジアで、中国市場を中心にベトナム、インドネシア、マレーシアなどASEAN諸国でも販売の拡大を図り、前期比30.9%の増収を見込んでいる。ヨーロッパでは28.7%、アメリカでは24.6%の増収を見込む。なお、通期の想定為替レートは1ドル=95円を想定している。
 
 広告宣伝費は26億6300万円増で、前期の12億900万円増と比べてより積極化していく方針。研究開発費は3億3800万円増の44億円で、売上高比約3%を維持する。「再生医療研究企画部」を新設し、バイオベンチャーのシームス(東京都)と共同で再生医療に進出し、主力研究所のリサーチビレッジ京都(京都府木津川市)で「体性幹細胞」の培養技術の研究を開始する。(編集担当:寺尾淳)