今年も猛暑! 節電対策が進む飲料自販機

2013年05月19日 16:51

 飲料総研の調査によると、清涼飲料を扱っている自動販売機は全国に245万台(2011年)にものぼる。一台あたりの年間消費電力量は、平均的なもので1728キロワットアワー/年といわれ、一般家庭の年間消費電力が4000~5000キロワットアワー/年前後といわれることからも、その電力消費量の高さが窺える。

 一般社団法人全国清涼飲料工業会によると、全国清涼飲料工業会、日本自動販売機工業会、日本自動販売協会、日本自動販売機保安整備協会の4団体で2008年に清涼飲料自販機協議会を設立し、総消費電力量削減のために「自主行動計画」を策定。2009年度より2005年比で、長期計画として2050年までに60%減を目指して活動を行なっている。2011年までに39.9%の削減が達成できている。

 もちろん、業界を牽引する清涼飲料自動販売機のシェア上位3社、日本コカ・コーラ株式会社、サントリーフーズ、ダイドードリンコ株式会社<2590>も、自販機の節電対策には積極的に取り組んでいる。

 たとえば、シェア1位の日本コカ・コーラでは、1995年にいち早く「ピークカット」を導入、ヒートポンプを同社自販機の約3割にあたる約27万5千台導入し、「ecoる/ソーラー」自動販売機や「ルーフ緑化」自動販売機など、同社独自の環境配慮型の自動販売機を開発するなど、エネルギー効率の向上にも貢献している。その積極的な節電への取り組みは平成24年度省エネ大賞「省エネ事例部門 省エネルギーセンター会長賞」を受賞するなど高く評価されている。

 また、サントリーフーズも消費電力量国内最小(2013年1月現在・サントリーフーズ(株)調べ)の自動販売機に、同社の自動販売機ビジネスの省エネシンボル「エコトリ」をデザインした「エコトリ自動販売機」を3月から順次全国で設置するなどの取り組みを行っている。

 ダイドードリンコも、ピークカット機能、真空断熱材、LED照明、ヒートポンプ機能などを採用することで、大幅な節電対策に積極的に取り組んでいる。

 2012年度の実績として、自販機年間消費電力量は2000年度と比較して、なんと70%以上の削減を実現。さらに今年度は、夏場の日中に最大8時間も冷却装置を停止することが可能な「高性能断熱機能搭載の省エネ自販機」展開することを発表している。

 気象庁の予測によると、今年の夏は平年並みか、平年よりも少し暑くなりそうだという。そんな夏場の自販機はオアシスのような存在。安心して利用できるよう、上手に節電して欲しいものだ。(編集担当:石井絢子)