原発再稼動プロセスの加速化など求める 経団連

2013年05月23日 11:45

 日本経済団体連合会は日本経済再生に向けた基盤整備をまとめた。安倍政権発足以降、急速に企業・消費者マインドが好転していると評価する一方で、政府が掲げる世界で一番企業が活動しやすい国を実現し、期待を実体経済に波及させ、実感に変えるべきとし、金融財政政策の評価と課題や成長戦略の3つの柱をとりあげ、5つの分野で政策対応を求めている。

 それによると、金融政策では企業が前向きな行動に転じる環境が整いつつあると評価した。そのうえで、為替レートの急な変動の抑制を求めた。財政政策についても政府の15ヶ月予算を評価する一方で、財政再建への道筋を明らかにすべきとした。

 成長戦略では「国際的な事業環境のイコールフッティングを実現する環境整備」と「日本が直面する課題の解決に資する産業・事業の育成・振興」「新たな財・サービスを生み出す規制改革」を柱にあげた。

 そのうえで、エネルギー・環境政策はじめ社会保障料負担、法人実効税率、経済連携協定、労働市場について政策対応を求めている。

 エネルギー政策では原発再稼動プロセスの加速化や固定価格買取制度や地球温暖化対策税の見直しを求めている。

 法人実効税率はアジア諸外国なみの25%程度にまで引き下げるべきとした。労働市場では労働者派遣制度の抜本的見直し、労働時間制度改革、勤務地・職種限定の無期契約労働者に対する使用者責任の透明化、高度外国人材の受け入れ推進を求めている。経団連としては労働市場については「成長産業への失業なき労働移動を可能にする柔軟な市場の形成を」早期に実現することを目指している。

 基盤整備について、企業が自ら取り組むべき課題も指摘しており、自ら進化して競争力や生産性を高め、付加価値生産額の増加に努めることやイノベーションの強化を実現していくべきとしている。(編集担当:森高龍二)