ガソリン需要減で休廃業 給油過疎全国257市町村 経産省

2013年06月23日 22:20

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経済産業省は、全国の「給油過疎地」(ガソリンスタンド(給油所)が3ヵ所以下を指す)と指摘する自治体が、257市町村に上ると調査結果を明らかにした。

 経済産業省は、全国の「給油過疎地」(ガソリンスタンド(給油所)が3ヵ所以下を指す)と指摘する自治体が、257市町村に上ると調査結果を明らかにした。これは、ガソリンの需要減や、古くなったタンクの改修費負担などで、給油所の閉鎖が相次いでいることが主な要因として挙げられよう。

 帝国データバンクの調べによると,給油所を運営する事業所の、平成24年度の休業・解散は前年比7.9%増の205軒に上ると発表した。

 「給油所過疎地」に挙げられた257市町村の大部分は、中山間地など人口の少ない地域で、客数も少なく、利益確保に苦しむスタンドが多い。しかもこれらの地域は、交通の便が悪く、自動車への依存度が高く、住民にとって、給油所の減少は、日常生活に直結する問題だ。給油所は、冬場には暖房用の灯油の配達なども行っており、高齢者が多い地域には、特に重要な生活インフラとなっている存在だ。

 経産省自然エネルギー庁によると、3月時点で、給油所が3ヵ所の自治体は、神奈川県逗子市など109市町村、2ヵ所は北海道ニセコ町など81町村、1ヵ所は、奈良県明日香村など60町村。ゼロは、鹿児島県三島村など7町村だった。同庁は「市町村合併で、表面化しにくいが、事実上の給油ゼロ地域は、さらに多いのではないか」と推測する。

 全国の給油所は、6年度末の約6万ヵ所から、23年度末は約3万8000ヵ所に減少24年度末の数字は、同庁が集計中だが2000ヵ所程度減るとの民間の試算もある。

 エコカー普及や若者の車離れによるガソリン需要減で、給油所の売り上げは落ち込んでいる。改正消防法で義務づけられた古いタンクの改修・交換期限が到来し、そうした費用が経営を圧迫していることも要因の一つと言えよう。

 また高齢化も事業経営を難しくしている面もありそうだ。帝国データ―バンクによる24年度の調査で、休廃業や解散した給油所経営者の60歳以上が「68.5%」を占めていることでも如実に表れている。(編集担当:犬藤直也)