プラントの大手、千代田化工建設<6366>は、海洋資源開発事業に参入する。これは海底の原油や天燃ガスの調査で、世界最大手の英「エクソダス社」を買収する。
こうした買収、資源調査は、欧米企業が大半であったが、今回、資源探査を始めるのは、日本企業としては初めてのケース、その動向が注目されている。これで、日本の商社や資源会社による海外での権益確保を後押しするほか、近海にあるガスの一種「メタンハイドレ-ド」などの開発に弾みがつきそうだ。
現状の世界では、米国の割安なシェールガスと共に、南米やアフリカなどの沖合で、原油・ガス田の開発が進んでいるようだ。英調査会社クラークソンによれば、原油やガスの海洋資源開発には、2012年に、世界で約17兆円の資金が投入され、2014年に24兆円になる未通しとしている。
深海での開発が増え、高度な探査技術が必要となる。千代田化工建設としては、エクソダスの8割の株を欧州のファンドから約100億円で取得した。取締役会で議長を含む3人を近く派遣するとしている。買収を通じ、最先端の探査技術を手に入れ、日本の商社などと、開発の初期段階から協力して、取得を目指すことができる。
千代田化工建設は、日本の輸入が増えている液化天然ガス(UNG)の生産設備で、世界大手4社の一社となる。
こうした海洋資源に積極的に参入することにより、日本の優れた技術開発力を、世界に問うことにより、資源確保の道筋もついてこよう。その意味で、今回の千代田化工建設の英社買収による、資源開発への参入の意義は大きいものがあろう。(編集担当:犬藤直也)