センサー技術との融合で省エネルギーと快適性の両立を

2013年07月21日 16:48

 私たちの生活環境の周辺には、普段意識されていないが、いくつものエネルギー源が存在する。太陽光や振動、熱、そしてちょっとした圧力などだ。このような微弱エネルギーを電力源として発電する『エネルギーハーベスティング(環境発電)技術』に注目が集まっている。

 7月17日から東京・台場の東京ビッグサイトで開催された「TECHNO-FRONTIER(テクノ・フロンティア)2013」で、村田製作所はいくつかの「環境発電技術」と「無線ネットワークを活用した見守りシステム」の展示・デモを行った。

 なかで、すぐにでも実用化できそうなのが、圧電方式の発電素子を内蔵した照明スイッチだ。簡単に説明すると「スイッチを押す人間の指先の力を利用して発電し、無線で操作するべき照明機器のON/OFFを行うシステムだ。このスイッチは自己発電するので電池を交換したりする必要はない。また、無線スイッチなので配線の必要もなく、スイッチ設置場所などのレイアウトの自由度も高い。つまり、指の圧力を電気に変換するエネルギーハーベスト素子とセンサー、通信システムを組み合わせたスイッチなのだ。展示していたスイッチの寸法は70×100×15.5mm。耐久操作回数20万回と発表されている。言ってみれば、電池の要らないリモコンスイッチだ。利用方法は照明機器のスイッチだけでなく、電動ブラインドの開閉や進化すればエアコンのリモコンにもなりそうである。

 また、室内の照明で発電する光発電と無線ネットワークを活用した“見守りシステム”のデモも同イベントで行なった。「色素増感作用を用いて、室内の明かりで発電できる点がポイント」だいう。展示された薄型モジュールには、光発電素子とセンサー、無線通信モジュールを搭載。ドア開閉感知、人感知、温湿度測定のモジュールで見守り・監視を行なう。光発電素子が光で発電したエネルギーを用いて、センサー回路を駆動し無線通信を行なう。

 村田製作所は、この見守りシステムは「室内の微少な照明の光で発電できる」という点がポイントだという。昼夜関係なく、室内の明かりがついていれば発電できるからだ。(編集担当:吉田恒)