シャープ、発電と採光を両立したシースルー太陽電池モジュールを発売

2013年07月28日 10:40

 シャープ<6753>は、発電と採光を両立し、ガラス建材として活用できるシースルー太陽電池モジュール5機種を発売する。マンションベランダの手すりや窓、カーテンウォール、ひさしなど、一般的なガラス建材が取り付けられている場所に合わせて提案していくとのこと。これは、2012年9月に発売したシースルー太陽電池モジュール第一弾に続くものだ。

 シースルー太陽電池モジュールとは、屋根などに設置する一般的な太陽電池モジュールで採用されている金属フレームを無くし、合わせガラス構造を採用することで、通常のガラス建材と同様にサッシや手すりの枠などに納めることができる。また、セルに細かなスリットを施しており、発電しながら適度に光を室内に採り込め、熱を遮ることもできる省エネガラスとして、窓や手すり、カーテンウォール、ひさしなど様々な場所に設置できるものだ。
 
 同機は、薄膜太陽電池セルに細かなスリットを施すことで、発電と採光を可能にしており、設置場所に合わせて選ぶことが可能。従来機より高さを30パーセント抑えて小型化し、通風部分を考慮した開放感のあるマンションの手すり用として提案する。また耐静荷重性能を従来機の約1.9倍向上させ、高層マンションへの設置も可能だという。建築業界で広く採用されている柱間(1200ミリ・ピッチ)に対応すべく、複数のモジュールを接続する配線やサッシの幅を考慮して幅1150ミリで設計され、カーテンウォール用や天井に設置するトップライト用としても設置できる。
 
 今回、発電量を優先する開口率10%タイプと、透過性を優先する開口率20%タイプをラインアップし、設置場所やユーザーのニーズに合わせて選べる。また、サイズの異なるモジュールを組み合わせることで、さまざまな階高や間口に合わせて設置することもでき、汎用性を高めたという。また同社は、住宅用や産業用の太陽光発電システムに加え、建材として活用できるシースルー太陽電池モジュールのラインアップを強化し普及拡大に取り組んでいく。

 シースルーの太陽電池モジュールは、同社以外にも、三菱化学や、カネカ、丸文なども販売している。(編集担当:久保田雄城)