【今週の振り返り】薄商いでも毎日波瀾万丈で850円も下げた週

2013年08月10日 20:05

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そうなった理由が謎めいている突然の数百円の急騰も急落も高値引けも安値引けもあり

 前週末2日のNYダウは30ドル高。注目の雇用統計は、完全失業率は7.4%で前月から0.2ポイント改善したが、非農業部門雇用者数の増加数は前月の当初発表数から3.3万人減の16.2万人で市場予測の18万人前後を大きく割り込んだ。これで量的緩和の縮小開始時期は9月から先延ばしになるのが濃厚になった。NYダウは一時69ドル安まで落ち込むが、これで量的緩和が長く続くという思惑で終盤になって上昇した。経済指標では個人消費支出が好調。企業決算はシェブロンは悪かったがAIG、バイアコムは良かった。5日朝方の為替レートはドル円は98円台後半、ユーロ円は131円台前半で、前週末よりもドル安が進行していた。

 日経平均は147.95円安の14318.21円で今週の取引開始。アメリカの雇用統計と円高傾向に対して下落で反応した。終始マイナス圏だったが前場は14300円をはさんだ動きに終始して底堅く、後場も午後2時頃までは14300円台を維持していたが、2時30分をすぎるとドル円が円高方向に進んだのを受けてジリ安になり終値は208.12円安の14258.04円で3日ぶりに反落した。TOPIXは-11.43の1184.74。売買高は19億株、売買代金は1兆9264億円で、どちらも今年最低を記録し夏枯れがひどくなっている。

 東証1部33業種別騰落率は繊維と倉庫がプラスで、マイナスが小さいのは水産・農林、電気機器、空運、サービスなど。マイナスが大きいのは保険、パルプ・紙、電気・ガス、鉱業、陸運、証券などだった。

 5日のNYダウは46ドル安で3日ぶり反落。ISM非製造業景況指数は市場予測を上回ったが、市場関係者の多くが夏休みで閑散とする中、利益確定売りに押され高安まちまちに。ダラス連銀のフィッシャー総裁が「量的緩和の縮小時期が近づいた」と講演で発言しても刺激にならなかった。NASDAQ総合指数は5日続伸した。6日朝方の為替レートは、ドル円が98円台前半、ユーロ円が130円台前半で前日より円高が進行した。

 取引時間前の外資系証券注文状況は3日ぶり売り越しで日経平均は20.94円安の14237.10円で始まる。ドル円が98円を割る円高に合わせて午前9時台は大きく下落し、1日と2日のローソク足の間に141円空いた「マド」を埋めにかかる。14005円まで下がれば完全に埋まるが、上海、香港市場が大幅下落で始まりアジア株が軟調でも前場の最安値は14031円で、中途半端なまま後場はドル円が98円台に戻ったので折り返し、急速に下げ幅を圧縮する。

 午後1時20分頃にはプラスになり、さらに14300円を突破。そこで起きたのはオーストラリア準備銀行の利下げ期待で、期待通りに3ヵ月ぶりに2.75%から2.5%へ0.25%引き下げを発表。対円レートで豪ドルは上昇し、米ドルも上昇した。とはいえTOPIXを置き去りにした先物主導の上昇なので、内閣府が6月の景気動向指数を発表した直後の2時台にはマイナスになる時間帯もあるなど日経平均の値動きは不安定。その現状判断指数は0.8ポイント低下、先行判断指数は3.7ポイント低下で国内景気に陰りが見えていた。しかし再び1日や2日のような大引け間際の急騰が起こり、終値は143.02円高の14401.06円。TOPIXも+8.92の1193.66で、ともに高値引け。売買高は22億株、売買代金は1兆9407億円で、後場に商いが増えていた。

 マイナスのセクターは鉱業、その他金融、水産・農林、金属製品の4業種だけで、プラスの上位は不動産、その他製品、電力・ガス、保険、海運、食料品などで、下位は石油・石炭、証券などだった。

 6日のNYダウは93ドル安。貿易赤字が市場予測を超える縮小をみせたが、良い数字が出ても「量的緩和早期縮小」が連想されNYダウは下がる。NASDAQも6日ぶり下落。アトランタ連銀のロックハート総裁、シカゴ連銀のエバンズ総裁が量的緩和縮小が9月開始の可能性をほのめかしたのも売りの根拠だった。7日朝方の為替レートはドル円が97円台後半、ユーロ円が130円近辺で前日よりも円高が進行していた。

 日経平均は245.11円安の14155.95円で始まる。午前10時すぎにドル円が97円を割り込む寸前まで円高が進行し、日経平均も急落して、まるで前日は中途半端だった「マド埋め」をやり直すかのようだったが、前場の最安値は14020円でマドが完全に埋まる14005円まで下がらない。しかし後場は先物主導の一段安で午後0時52分に14005円を割り込み、マド埋め完了。その後は、最後は97円を割り込んだドル円の動きに伴ってズルズル下がり続け、終値は576.12円安の13824.94円で安値引け。今年4番目の下落幅で8月に入り4日間守っていた終値ベースの14000円台から滑り落ちた。TOPIXは-38.40の1155.26。売買高は24億株、売買代金は2兆1300億円で、3日ぶりに2兆円台を回復した。

 業種別騰落率は全業種がマイナスで、下落幅が小さかったのは水産・農林、石油・石炭、海運、鉱業、空運、サービスなど。大きかったのは不動産、倉庫、精密機器、ゴム、繊維、情報・通信などだった。