消費税引き上げの扱いに対する有識者60人からのヒアリングが26日から6日日の日程で始まった。菅義偉官房長官はヒアリングの狙いについて「総理の指示を踏まえて、麻生副総理、甘利経済財政担当大臣、黒田日銀総裁らが直接に有識者から意見を聞き、経済再生と財政再建の好循環を構築する観点から、社会保障・税一体改革の一環として、消費税引き上げにかかる経済状況など総合的に勘案して、経済・財政運営にどのような留意点があり、対応が求められているかという点について、幅広く国民各層の有識者・専門家から集中的に意見を聞くもので、意見を踏まえて消費税をどうするか、判断の参考にする」と語った。
消費税の扱いに対する総理判断の時期について、甘利経済財政政策担当大臣が「9月下旬から10月上旬の幅と思う。(10月1日の)日銀短観を(総理が)みるかどうかだ」との見通しを示したことについて、菅官房長官は「秋の臨時国会前にはと聞いているので、それに尽きるのだろう」と甘利大臣の見通しより幅を持たせた。臨時国会は10月中旬以降の見通し。
この日の会見で、菅官房長官は東京電力福島第一原発での放射性物質汚染水の貯水タンクからの漏えいに「極めて遺憾」とした。菅官房長官は「今回の漏えいは地下水汚染の構造的な問題とは異なり、タンク管理をしっかり行ってこなかったことに大きな問題がある」と東電の姿勢を厳しく指摘した。
そのうえで、菅官房長官は高濃度汚染水漏えい問題に対し「早急な原因究明、再発防止の実施が適切に行われるよう、国としても一歩前に出て対応していく」と語るとともに「政府としても抜本的な解決に向け可能なことは最大限実施する」とした。
菅官房長官は「茂木経済産業大臣に対策を早急にすすめるよう、予備費の活用も含め、財政措置についても出来る限り行うよう2週間前に指示した」とし「茂木経済産業大臣は今日(26日)福島第一原発に行っているので、その結果を踏まえて大臣が判断されると思う。できることは全てするということ」と政府の姿勢を示した。海洋汚染への深刻化が懸念されるため、迅速な措置が求められている。(編集担当:森高龍二)