【来週の展望】「東京決定」でも15000円一気突破は無理か

2013年09月08日 12:31

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開催決定は株式市場にはポジティブ・サプライズで、特に海外資金の動向が注目される

 9月第2週(9月9~13日)は5日間の取引。9日はインドのムンバイ市場がヒンズー教の象の神様の「ガネーシャ祭り」で休場する。13日は株価指数先物もオプション取引も全て特別清算指数を算出する「メジャーSQ」の日になる。

 国内の経済指標は、9日は4~6月期の実質GDP成長率の改定値、7月の国際収支(貿易収支、経常収支)、8月の消費者態度指数、景気ウォッチャー調査、10日は8月の工作機械受注、マネーストック、7月の第三次産業活動指数、11日は8月の国内企業物価指数、7~9月期の法人企業景気予測調査、12日は7月の機械受注、8月の東京都心部のオフィス空室率が、それぞれ発表される。

 9日に4~6月期の実質GDP成長率の確定値が発表されるが、消費税率引き上げの可否についてはこれだけでなく、10月1日発表の9月の日銀短観も見た上で10月上旬に最終的に判断すると安倍首相が表明している。その安倍首相は11~14日に来日するモンゴルのアルタンホヤグ首相、11~13日に来日するトルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領と相次いで会談する。どちらも豊富な地下資源を持ち日本からの投資を期待する国。10日には8月7~8日の日銀金融政策決定会合の議事要旨が発表される。

 主要企業の決算発表は、9日は学情<2301>の10月期第3四半期、ミライアル<4238>の1月期第2四半期、10日はテンポバスターズ<2751>の4月期第1四半期、イハラケミカル<4989>の10月期第3四半期、OSG<6757>の1月期第2四半期、11日はアゼアス<3161>の4月期第1四半期、12日は3Dマトリックス<7777>の4月期第1四半期、ナイガイ<8013>の1月期第2四半期、東京ドーム<9681>の1月期第2四半期、13日はアスクル<2678>の5月期第1四半期、丸善CHIHD<3159>の1月期第2四半期、稲葉製作所<3421>の7月期本決算、エイチーム<3662>の7月期本決算が発表される予定。なお、13日には東証マザーズにサンワカンパニー<3187>が新規上場する。タイル、ウッドデッキなどの輸入建材をネット販売している企業で、公開価格は950円。今年になってから上場初値が公開価格を下回った例は一回もない。

 海外の経済指標は、9日は中国の8月の消費者物価指数(CPI)、卸売物価指数(PPI)、アメリカの7月の消費者信用残高、10日は中国の8月の鉱工業生産、小売売上高、都市部固定資産投資、11日は英国の8月の失業率、アメリカの7月の卸売売上高、12日はオーストラリアの8月の雇用統計、アメリカの8月の財政収支、13日はユーロ圏の7月の貿易収支、アメリカの8月の小売売上高、9月のミシガン大学消費者信頼感指数が、それぞれ発表される。

 9日にサンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁が講演を行い、量的緩和縮小についての言及があるかもしれない。同じ9日にアメリカの連邦議会が長い夏休みを終えて再開する。本会議でシリアへの軍事介入が承認されればオバマ大統領はいつでも攻撃命令を下せるが、その日付は「9.11」とも噂されている。仏教なら13回忌になる遺族の心境やいかに。10日、アップルが新型iPhone5Sをカリフォルニア州の本社の新製品発表会でお披露目する見込み。11日には中国でも発表会を開く。その中国の大連市では11日から13日まで世界経済フォーラムの新興国・新興企業版「夏季ダボス会議」が開かれる。13~14日はユーロ圏財務相会合があり、マドリードが落選したスペインの経済や財政をサポートするアクションがあるかもしれない。

 6日の午後9時30分(日本時間)にアメリカ労働省から発表された8月の雇用統計は、失業率が7.3%で前月や市場予測の7.4%より0.1ポイント少なく改善をみせていたが、非農業部門雇用者数の伸びは16.9万人で、前月の10.6万人より多いものの市場予測の18万人を1万人以上も下回った。6、7月の雇用者数データも下方修正された。前座の雇用関係の指標がおおむね良かっただけにネガティブサプライズだったが、17~18日のFOMCでの量的緩和縮小(テーパリング)開始の延期はないにしても「縮小のペースはゆるやかになる」という観測で、その日のNYダウは上昇する場面もあった。

 そして7日、日本時間では8日早朝の午前5時20分、アルゼンチンのブエノスアイレスで開かれていたIOC総会で、2020年夏季オリンピックの開催地が東京と決まった。直前に本命視されていたスペインのマドリードは1回目投票の同点再投票で予想外の落選。トルコのイスタンブールは決選投票で東京に敗れた。日本で開催されるのは1964年の東京大会から56年ぶり2回目。札幌、長野の冬季大会を含めると4回目になる。