【日経平均】建設株が大ブレイクし218円高、14400円台

2013年09月10日 20:17

 NYダウは140ドル高で8月23日以来の終値15000ドル台を回復。ケリー国務長官が「シリアが全ての化学兵器を来週中に国際社会に引き渡せば攻撃を回避できる」と発言し、ロシアのラブロフ外相が化学兵器を国際管理下に置くように要請するとシリアが前向きな姿勢を見せるなど、軍事行動回避に結びつく動きをマーケットは歓迎。輸出が2ヵ月連続で回復の中国の経済指標の改善、長期金利の落ち着きもあいまって大幅高になった。10日朝方の為替レートは、ドル円は99円台半ば、ユーロ円は131円台後半で、ドル円は前日夕方とあまり変わらない水準だった。

 日経平均は113.49円高の14318.72円と続伸で始まる。14300円台を守れない場面もあったが午前9時30分頃から値を切り上げ10時前に14400円台にタッチ。その後はいったん13300円台半ばに戻すが底堅く推移し、後場の午後1時10分頃からは14400円付近で小動きの展開に。ザラ場で為替を巻き込む先物主導の急騰、急落がなくなったのが東京五輪決定後の新局面か。大引け9分前に14441円の高値を取り、終値は218.13円高の14423.36円。TOPIXは+17.22の1190.22だった。売買高は42億株で6月7日以来の40億株台、売買代金も2兆4412億円と増加。海外の機関投資家の「日本買い」がいよいよ本格的に始まったようだ。

 値下がり銘柄は352に対し値上がり銘柄は1310で東証1部全体の4分の3を占めたが、この日も下落セクターがあり鉱業1業種。上昇セクター上位は建設、海運、倉庫、保険、空運、その他金融など。下位は電気・ガス、石油・石炭、水産・農林、化学、パルプ・紙などだった。

 日経平均プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>、2位はKDDI<9433>で合計+40円。マイナス寄与度1位はアドバンテスト<6857>、2位はアサヒGHD<2502>で合計-3円だった。

 メガバンクや大手証券は機関投資家の本格買い出動を象徴するように後場に上げ幅を拡大。トヨタ<7203>は40円高、ホンダ<7267>は30円高だったが日産<7201>は16円安、富士重工<7270>は8円安、マツダ<7261>は2円安と、自動車株は全般に低調だった。ソニー<6758>は「プレステ4」を国内では来年2月発売と報じられ、年末年始の商戦に参戦しなくても44円高。パナソニック<6752>は17円高だった。「東京五輪を4Kテレビで見よう」でヤマダ電機<9831>は50円高だったが、そのメーカーのシャープ<6753>は8円安、東芝<6502>は2円安だった。アップルが日本時間で今夜発表とみられるiPhone廉価版、通称「5C」を国内3社も発売すると報じられ、ソフトバンク<9983>は30円高、KDDIは150円高、NTTドコモ<9437>は2600円高。アップルの国内シェアはますます高まりそうだ。

 サントリー食品<2587>は英国の製薬大手グラクソ・スミスクラインの飲料事業を買収すると発表し20円高で4日続伸。M&Aも駆使しながらヨーロッパの事業規模を3年で2倍にするという。ヤクルト本社<2267>は後場に22年ぶりにヤクルト1本を5円値上げというニュースが入って収益性改善期待で310円と急伸した。東京電力<9501>は汚染水問題で政府との調整会議を設立すると報じられたが6円安。もし7日に落選していたら東電は〃A級戦犯〃にされただろう。

 中国の経済指標改善を受け、コマツ<6301>は部品事業の通期の営業利益が4割増という業績観測報道も出て売買代金13位で146円の大幅高。〃中国関連ペア〃の日立建機<6305>は157円高だった。その中国の貿易拡大を受けてバルチック海運指数が前日9%も上昇して海運セクターが買われ、日本郵船<9101>は11円高、商船三井<9104>は26円高、川崎汽船<9107>は9円高、NSユナイテッド海運<9110>は16円高で年初来高値更新と、いずれも3.5%を超える上昇。鉄鋼セクターも建設向け需要増を見込まれて好調で新日鐵住金<5401>は10円高、JFEHD<5411>は77円高になっていた。

 建設セクターは業種別騰落率トップ。売買高1位は三井住友建設<1821>で6億株、売買代金1位は前回の東京五輪でも国立競技場などの実績がある大成建設<1801>で1527億円が売買された。41.1%上昇した大末建設<1814>以下、値上がり率20位以内に14銘柄、建設資材関連も含めると16銘柄も入ってランキングをジャック。前日に続きストップ高と年初来高値更新があふれた。

 三越伊勢丹HD<3099>は通期の営業利益3割増の350億円という業績観測報道で29円高。東京のデパートは含み資産、訪日外国人期待、五輪景気で高級品販売増など買い材料が複合するが、前日発表の景気ウォッチャー調査は5ヵ月連続で低下し、地方のデパートの「厳しい」という悲痛な声がリリースで紹介されていた。サービス関連では、訪日外国人増加を見込み帝国ホテル<9708>がストップ高比例配分の705円高で続伸。翻訳センター<2483>も700円のストップ高比例配分だった。前回の東京五輪で活躍した通訳者が集まってその翌年に設立されたサイマル・インターナショナルの親会社のベネッセ<9783>は15円高だった。

 派手に買われる五輪関連銘柄の陰でゲーム関連は不振で、KLab<3656>は40円安で値下がり率14位、ガンホー<3765>は6000円安。ネクソン<3659>はアメリカのゲーム大手と提携するニュースもあったが15円安。3DプリンターのローランドDG<6789>も70円安。防衛関連の石川製作所<6208>は10円安で値下がり率6位。シリア攻撃回避の芽が出たためで、損する投資家が出ても世界は平和なほうがいい。

 この日の主役は「羽田空港と成田空港」。7年後の東京五輪の玄関口として政府が発着枠拡大を検討と日経新聞が1面で大きく報じた。前倒しで滑走路を増設し、都内上空の飛行も解禁して便数増に対応するという。空運のJAL<9201>は170円高、ANAHD<9202>は8円高、スカイマーク<9204>は16円高。ターミナルビル関連の空港施設<8864>は150円高で値上がり率14位、日本空港ビル<9706>は129円高、JALUX<2729>は33円高でともに年初来高値を更新した。国内LCC拠点でもある成田と羽田を東京駅の地下を経由して直結する新線も整備されるといい、それに接続する京成<9009>は46円高で年初来高値更新、京急<9006>は73円高だった。鉄道工事の鉄建<1815>も年初来高値更新の50円高でストップ高比例配分。ところで「首都圏第三空港」と期待され2010年に開港した茨城空港は地元がつくばエクスプレスの延伸を要望しているが、整備対象外なのだろうか。(編集担当:寺尾淳)