【日経平均】37円安、4日ぶり反落で五輪相場ひと休み

2013年09月12日 20:13

 NYダウは135ドル高。3日連続3ケタ上昇になったのは、解決を国連安保理にゆだねたオバマ演説以後もシリア攻撃の懸念がどんどん遠のくため。当面の焦点は17~18日のFOMCで「量的緩和縮小は当初はどれぐらいの規模で始まるか」に移った。長期金利が低下してドル売りが進み、12日朝方の為替レートはドル円は99円台後半、ユーロ円は133円近辺と前日より円高方向に振れた。

 7月の機械受注統計2ヵ月連続マイナスで市場予測を大きく下回った。日経平均は27.17円安の14397.90円で始まるが、すぐ14400円台を回復。しかしTOPIXはずっとマイナスで波乱の予感あり。午前9時30分を過ぎると再び14300円台に下落して推移した。10時30分頃に一時プラスにタッチするが、同時刻にオーストラリアの8月の雇用者数が市場予測を2万800人も下回って減少するというネガティブなニュースが伝えられて急落。日本円は豪ドルに対し一気に1円を超える急騰で、米ドルに対しても前場、99円台前半まで円高が徐々に進行した。

 後場当初は14300円台後半をキープして14400円にもタッチするなどTOPIXより底堅かったが、午後1時30分すぎには14300円台の中で一段安に。終盤は徐々に戻し終値は37.80円安の14387.27円で4日ぶり反落。TOPIXは-4.89の1184.36で続落した。読売新聞が「安倍首相が来年4月に消費税を8%に引き上げる意向を固めた」と1面で大きく報じたことが、相場全体の上値を抑える方向に働いたという観測も出ていた。

 売買高は25億株、売買代金は1兆7449億円で4日ぶりの2兆円割れ。翌日のメジャーSQだけでなく、その後が三連休で、連休明けの17日からFOMCと日程が詰まっていることもあり、様子見で商いが減少した。

 値上がり銘柄は713、値下がり銘柄は894で、業種別も13対20で値下がり優勢。プラスは鉱業、海運、空運、保険、鉄鋼、石油・石炭など。マイナスはゴム、証券、輸送用機器、不動産、精密、電気・ガスなどだった。

 日経平均プラス寄与度1位はファーストリテイリング<9983>、2位はソフトバンク<9984>で、合計で28円押し上げた。両銘柄に買いが集まったのは、3月期中間期末を控えメジャーSQのSQ値をできるだけ高く保ちたい意図があるかもしれない。マイナス寄与度3位の花王<4452>は、1万人に達する被害者が出ているカネボウ化粧品の「白斑」問題が深刻の度を増し、3日続落した。

 メガバンクはみずほ<8411>1円高、三菱UFJ<8306>値動きなし、三井住友FG<8316>10円安とまちまち。証券は野村HD<8604>8円安、大和証券G<8601>15円安、SBIHD<8473>と悪かった。自動車大手は円高の進行もあって下落が目立ち、トヨタ<7203>は70円安、ホンダ<7267>は15円安、富士重工<7270>は58円安、日産<7201>は12円安。ソニー<6758>は保有するエムスリー<2413>株の一部をドイツ証券に売却すると報じられ、医療分野強化の方針に疑問が出て26円安。エムスリーは需給悪化懸念で大幅に下落し値下がり率1位になっていた。32円高のコマツ<6301>は18円高の日立建機<6305>とともに朝方のマイナスから浮上し4日続伸。中国市場はこの日も堅調だった。

 山内隆司社長が日経新聞のインタビュー記事で「2016年3月期をメドに1割超の増収を目指す」「人員増で受注獲得目指す」と述べた大成建設<1801>はマイナスから切り返し9円高で売買代金1位。売買高1位は値上がり率6位の鉄建<1815>、値上がり率1位は大豊建設<1822>で、建設株はランキングをにぎわせるものの業種別騰落率では8位に後退し不動産セクターのほうはマイナスで、「五輪ご祝儀買い」はひとまず終息か。

 それでも暗躍中なのが市場関係者による「オリンピックとの接点探偵団」で、ヒト・コミュニケーションズ<3654>は家電量販店への販売員派遣がメインの人材派遣会社だが、スポーツイベントへの通訳の派遣実績が〃発見〃されこの日突然、値上がり率2位に登場しストップ高の300円高だった。前日は塗料メーカーが建設つながりで買われ、安房鴨川や大阪のホテルが「東京にも系列ホテルあり」という理由で物色されたが、こじつけ気味でも五輪関連銘柄をほじくり出してくる探偵団の活動は当分、続きそうだ。

 アップルのiPhoneは「5c」が「新興国向けで99ドルは高すぎる」と評判が悪く、中国移動との提携話もお流れでアップル株は5%の大幅続落。そのとばっちりで東京市場でもアップル関連銘柄が売られ、値下がり率ランキングではアルプス電気<6770>が6位、航空電子<6807>が8位、太陽誘電<6976>が12位、フォスター電機<6794>が18位に入り、TDK<6762>や日東電工<6988>や村田製作所<6981>も売られていた。だが、カラフルで値段が手頃な5cは日本でなら人気が出るかもしれない。

 この日の大きな話題は「公募増資」。日経新聞が1面で報じたのが三菱自動車<7211>の約2000億円の公募増資で、年内に実施し三菱グループ4社が引き受けた約3800億円の優先株の処理に使うという。希薄化でネガティブ要因なので株価は4日ぶりに反落し90円安で値下がり率2位になったが、経営再建が最終局面に入り、区切りをつけられれば成長戦略に乗り出せる希望も見えてきた。

 一方、朝日新聞が報じたのがシャープ<6753>で、記事によると規模は約1000億円だがロイターや日経新聞は1500億円と伝えた。有利子負債圧縮と設備投資に使うという。マーケットは「事前に伝えられていたより多い。第三者割当増資だけでは足りないのか」という反応で23円安で値下がり率3位と売られた。シャープはNTTドコモ<9437>のiPhone発売による「スリートップ瓦解」で最も割りを食うと言われている。「iPhoneにも勝てる」と言われ評判がいいソニーの「エクスペリアZ1」のような強力なスマホ新機種がなく、新型iPhoneに搭載されなかったIGZO液晶の今後にも黄信号が点灯しかねない。公募増資の成り行きは、東南アジア戦略で地歩を固め通期の純利益が過去最高になる見通しの三菱自動車より状況が厳しそうだ。(編集担当:寺尾淳)