【今週の振り返り】543円上昇しても「この程度か」と思えた週

2013年09月14日 20:11

218_e

東京五輪決定!でも、SQ週の魔の水曜日は急落、13日の金曜日は乱高下

 10日のNYダウは127ドル高で15200ドル台寸前に。アメリカは問題の解決を国連安保理にゆだねてシリア攻撃回避の観測が強まり、金、原油の先物価格は大幅下落。投資家心理はリスクオンして売買高も急増した。中国の鉱工業生産などの経済指標改善も好材料。アップルは新型iPhoneをお披露目した。11日朝方の為替レートは、ドル円は100円台前半、ユーロ円は133円台前半で、前日夕方から円安が大きく進行していた。

 日経平均は88.38円高の14511.74円と14500円台に乗せて始まる。すぐ割り込むがマイナスまでは下がらない。午前10時9分に14447円をつけた直後から8分間で105円急騰して10時17分に14552円まで上がり、円安も進行した。何が起きたかというとオバマ大統領が国民向けテレビ演説で「米軍のシリア投入はない」と明言していた。その後は14500円台を割ることなく小動きの時間帯が続く。後場もずっと14500円台を維持していたが、午後2時30分頃に突然の下落開始。ズルズル下げていき14500円を割り込みTOPIXはマイナスに。裁定売りで急落する「SQ週の魔の水曜日」がオバマ演説効果を吹き飛ばす。大引け直前にはマイナスまで下げたが終値は1.71円高の14425.07円。1円高で日経平均はカスカスの3日続伸。TOPIXは-0.97の1189.25でマイナスだった。売買高は34億株、売買代金は2兆2573億円で商いは前日を下回った。

 プラスのセクターはその他金融、電気・ガス、機械、パルプ・紙、輸送用機器、証券など。マイナスのセクターは鉱業、倉庫、海運、建設、陸運、鉄鋼と、前日まで五輪関連で買われた業種がこの日は売られていた。

 11日のNYダウは135ドル高。3日連続3ケタ上昇になったのは、解決を国連安保理にゆだねたオバマ演説以後もシリア攻撃の懸念がどんどん遠のくため。当面の焦点は17~18日のFOMCで「量的緩和縮小はどれぐらいの規模で始まるか」に移った。長期金利が低下してドル売りが進み、12日朝方の為替レートはドル円は99円台後半、ユーロ円は133円近辺と前日より円高方向に振れた。

 日経平均は27.17円安の14397.90円で始まるが、すぐ14400円台を回復。しかしTOPIXはずっとマイナス。午前9時30分を過ぎると再び14300円台に下落して推移した。10時30分頃に一時プラスにタッチするが、同時刻にオーストラリアの8月の雇用者数が市場予測を2万800人も下回って減少するというネガティブなニュースが伝えられて急落。日本円は豪ドルに対し一気に1円を超える急騰で、米ドルに対しても前場、99円台前半まで円高が徐々に進行した。

 後場当初は14300円台後半をキープして14400円にもタッチするなどTOPIXより底堅かったが、午後1時30分すぎには14300円台の中で一段安に。終盤は徐々に戻し終値は37.80円安の14387.27円で4日ぶり反落。TOPIXは-4.89の1184.36で続落した。

 売買高は25億株、売買代金は1兆7449億円で4日ぶりの2兆円割れ。翌日のメジャーSQだけでなく、その後が三連休で、連休明けの17日からFOMCと日程が詰まっていることもあり、様子見で商いが減少した。

 プラス業種は鉱業、海運、空運、保険、鉄鋼、石油・石炭など。マイナス業種はゴム、証券、輸送用機器、不動産、精密、電気・ガスなどだった。