2020年東京五輪が決まったことを受け、日本でのカジノ解禁論争が活発化している。東京五輪の経済効果が7兆円超と予想される中、これまで何度か俎上(そじょう)に上がった「カジノ構想」が、再び浮上、観光産業の拡充に迫られている政府が、「カジノ構想」を推し進めていく可能性が浮かび上がっている。
来月には、議員立法の「カジノ関連法案」が臨時国会に提出される見込みで、早ければ5年後には実現するとの見方も一方にはある。
五輪決定で、各方面で商機をつかもうとする動きも活発化しており、期待感は高まるばかりだ。秋の臨時国会では、特定複合観光施設区域整備推進法案、劇場や国際会議場、ホテルを併設する統合型リゾートの整備を推進するためのもので、「カジノ法案」がそれだ。
こうしたカジノ構想は、02年に当時の石原東京都知事が、発案したが、省庁間の利害調整などが障害となって実現できず、いつの間にか消えてしまったいきさつがある。しかし今回はその時と環境が違い、東京五輪と言う外国から大勢の人たちが集まる絶好のチャンス。これを見のがす手はないと言うところだろう。
法案は、カジノ解禁を目指す超党派の議員が中心になって作られ、この気運の高まりに、最高顧問に安倍首相や麻生副総理ら、政権中枢も名前があがっている模様。
こうした流れを見越してか、カジノ関連企業の動きも活発化し始めた。海外では、カジノ運営会社の米ラスベガス・サンズとMGMリゾーツ・インターナショナルは、日本でのカジノ施設に向けて候補地探しに着手している情報もある。一方国内では、ゲーム機メーカーのセガミ―ホールディングスが、韓国と協力して、カジノを含む複合施設事業の開発を推進しているという。
また海外でディーラーとして数多く活躍しているディーラー養成学校「日本カジノスクール」(東京都新宿区)も本格的なカジノ人財育成に乗り出している。カジノ候補地としては東京・お台場が最有力だが、橋本大阪市長もカジノ誘致に熱心で、大阪、りんくうタウン、沖縄なども候補に挙がっている。東京五輪決定の祝賀ムードに乗り、関係者の悲願達成となるかどうか、今後の成り行きが注目されよう。(編集担当:犬藤直也)