18日、セガサミーホールディングス<6460>は、経営再建中のゲーム会社インデックス<4835>の主だった事業内容を、子会社であるセガが譲り受けるとの発表を行った。セガによって設立された全額出資の子会社を受け皿とし、11月にも事業買収が行われる予定だ。
セガ側としては、今回のインデックスの事業買収により、同社の持つスマートフォン向け人気ゲームを展開し、不振続きの家庭用ゲーム事業にてこ入れをはかると共に、ネット関連事業にも参入することで、幅広い収益源を確保する狙いがあるようだ。
インデックスは今年の6月に民事再生法の適用を、東京地方裁判所に申請しており、負債総額は245億円にのぼる。しかしセガ側は、こうした負債に関しては引き継がないとしている。6月に粉飾決算の疑いにより、証券取引監視委員会によって強制調査を受けていたインデックスだが、セガはそれを当時のインデックス側の問題とし、譲渡後の事業経営に与える影響は小さいと考えている。
今回の事業譲り受けに動いた背景には、セガの深刻なゲーム事業不振がある。特に家庭用ゲーム事業は、アメリカ・ヨーロッパ市場でのソフト販売の落ち込みが激しく、現在2期連続で営業赤字となっている。
その一方で、「真・女神転生」や「ペルソナ」などの根強いファンの存在するゲームタイトルを持つインデックスは、「女神転生」シリーズの最新作を2013年1~6月の国内ソフト販売ランキングでトップ10内に送り込んでいる。こうした強いコンテンツを取り込むことで、セガとしては利益への貢献を見込むと共に、ユーザー数の増加が著しいスマートフォン向けゲームにも転用し、不振のゲーム事業を立て直す考えだ。
また、インデックスはネット関連事業も得意としており、テレビ番組やネット証券会社の携帯電話向けサイトなどの受託開発も行っている。しかし資金不足が原因でシステム投資などに遅れを取り、業績は悪化。セガはこうした事業に積極的な投資を行い、ネット関連事業への参入をはたすことで、収益源の多様化を目指す。
事業の譲渡は11月1日に行われる予定で、その金額は明らかにされてはいないものの、140億円程度とみられている。(編集担当:滝川幸平)