安倍晋三総理は国連総会一般討論演説後の記者会見(27日夜=日本時間)で「演説では『積極的平和主義』への決意と『世界で女性が輝く社会が実現するよう、わが国が3年間で30億ドル以上の具体的貢献(政府開発援助)を行う』ことを提示した」とした。
安倍総理は積極的平和主義の具体的取り組みとして、シリア問題への新たな貢献、イランの核問題への平和的解決に向けた独自の働きかけなどをあげ、「国連総会の場を生かして、積極的平和主義の旗の下、具体的なアクションも進めた。より良い世界をつくるために日本がしっかり責任を果たしていく。世界の平和と安定、繁栄に、より一層積極的な役割を果たしていく決意を世界に発信できたと思う」と語った。
また、消費税の判断については「10月初旬に処処の経済指標を確認し、経済情勢をしっかり見極め、最終判断をする」と述べた。安倍総理は「15年続いたデフレからようやく脱却できるかもしれないというチャンスをつかむことができた」とし、この流れを踏まえ「成長軌道を維持し、活力を取り戻していくために十分な対応策が必要と考えており、そのとりまとめを与党と調整しながら行っている。政府・与党が連携して最善の方策になるよう対応していきたい」と述べた。
また企業収益が従業員の給与アップに反映されるのかどうかについて、安倍総理は「賃金を引き上げる企業に税制上も支援していきたい。多くの企業に理解を頂きながら、夏のボーナスの前にも多くの企業に訴え、いくつかの企業に賛同を得たが、これからも果実が広く国民全体に広がるように政策を前に進めたい」と賃金の上昇、雇用の拡大により消費が伸びる、経済の好循環実現をめざし、政策を展開する姿勢を強調した。
このほか安倍総理は日中関係についても記者団から聞かれ「最も重要な二国間関係のひとつであり、両国は様々な分野できってもきれない関係にある」とし「アジア・太平洋地域・世界の平和と安定・繁栄にともに責任を有している」とした。
一方で、尖閣諸島については「歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であり、実際に有効に支配している。中国公船による領海侵入が続き、遺憾なことだが、領土について日本が妥協することはない」と釘をさした。
そのうえで安倍総理は「日本から事態をエスカレートさせることはない」とし「個別の問題があったとしても、両国関係全体に影響を及ぼさないように互いに戦略的互恵関係の原点に立ち戻り日中関係を発展させていきたいと考えている」と述べた。安倍総理は「課題があるからこそ、首脳レベルも含めて話し合うべきだ」とも語った。『対話のドアは常にオープンだ』と強調し、首脳会談も含めた対話を提起した。(編集担当:森高龍二)