権利確定イベント通過の影響を前場で消化したようで後場は一時14700円台にタッチしてTOPIXもプラスになったが、為替の動きが止まり円高方向に戻るともみあいからジリ安に転じる。それでも午後2時台になると一段高になり14700円台に乗せ、さらに上昇。この日の午後6時に出されるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直しの中間報告で、債券から株式へのシフトが明記されるという観測が浮上したのがその根拠だった。結局、日経平均は178.59円高の14799.12円と14800円にあと88銭と肉薄して高値引け。日中値幅が389円もある大波乱の配当権利落ち日だった。TOPIXも+9.34の1220.49でこれも高値引け。売買高は30億株、売買代金は2兆1534億円だった。
セクター別の騰落率は33業種中29業種が上昇。プラス上位は海運、ゴム、保険、金属製品、パルプ・紙、倉庫などで、下位は空運、陸運など。マイナスは医薬品、卸売、石油・石炭、化学の4業種だった。
最近のNT倍率は12倍近辺だが、前日の下げ幅は30.1倍、この日の上げ幅は19.1倍で、値動きで日経平均がTOPIXにレバレッジを効かせた人呼んで「先物の空中戦」。9月30日付けで株式分割を行う銘柄が全市場で160近くあり、この日の売買分から適用された。1株を100株に分割する百分割は103銘柄で、100株を超える分割を行うのが19銘柄。合わせて122銘柄もあった。
26日のNYダウは55ドル高で6日ぶり反発。新規失業保険申請件数が市場予測を下回って雇用懸念が後退し、5日で400ドル余りも下げた値頃感で113ドルまで上昇したが、債務上限問題も新年度予算案審議も情勢に変化なく上値を抑えられた。27日朝方の為替レートは、ドル円は99円近辺、ユーロ円は133円台半ばで、前日よりやや円安になっていた。
8月の全国消費者物価指数(CPI)は0.8%増で3ヵ月連続プラス。9月の東京都区部のほうは0.2%増で5ヵ月連続のプラスだった。しかし、前日の高値引けの要因のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用見直しの中間報告は、「比較的リスクの高い資産の運用拡大」とは言うが債券から株式にシフトする数値目標など何もなく肩すかし。
日経平均は4.87円高の14803.99円で始まるが、すぐに下落して14800円を割り込み15000円が遠ざかる。しばらくTOPIXはプラスだったが、日経平均とともに下落して午前9時35分に安値をつける。その後は時報に合わせたように10時頃と11時頃にプラスにタッチしてはまた下落するというパターンを繰り返す。ドレッシング買いが入る月末でもあり利益確定売りの金曜日でもありという微妙な日柄で、もたもたした地合いが続く。
後場は高く始まりプラスにタッチするが続かず、午後1時台は14760~14790円のレンジで推移。2時台に円高が20銭進むと日経平均は50円を超える下落で一時14700円割れ。10月1日に日銀短観、消費増税、経済対策の発表を控える様子見なのか手じまい売りが支配的。それでも大引けにかけて戻し終値は39.05円安の14760.07円。15000円チャレンジどころか1勝3敗、前週末から17円上がっただけで今週の取引を終えた。TOPIXは-2.97の1217.52。売買高は30億株、売買代金は2兆402億円だった。
業種別騰落率の上位は空運、ゴム、パルプ・紙、電気・ガス、繊維、鉄鋼など。下位は海運、金属製品、機械、保険、石油・石炭、輸送用機器などだった。(編集担当:寺尾淳)