CEATECでみた「スマートハウス」、多数の展示から感じる時代到来の予感

2013年10月06日 21:32

toyota phv

トヨタがスマートハウス構築の一環として開発を進めている非接触型充電器。プリウスPHVやEVをパネルの上に駐車するだけで充電できる

 スマートハウスという概念は1980年代に既にアメリカで提唱され、エアコンなど住宅設備機器や家電、情報機器をすべて一元化して最適に制御する住宅だとされ、全米ホームビルダーの実証実験プロジェクトとしてスタートした。それが、住宅設備に参入する企業のモチベーションの違いによって変化し、インテリジェントハウスやマルチメディア住宅、さらにはユビキタス住居などと呼ばれるようになった。が、ここにきてあらゆる企業が改めて「スマートハウス」という名詞でPRを行ない始めている。

 10月1日から千葉・幕張メッセで開かれたIT・エレクトロニクス総合展示会「CEATEC」でも幾つかの企業が「スマートハウス」をテーマに展示・訴求を行っていた。ここでの「スマートハウス」の解釈の多くは、HEMS(Home Energy Management System)と呼ぶ家庭のエネルギー管理システムで空調や家電、有線・無線LANなどの通信機器周辺技術、発電・蓄電・売電、自動車などを一元管理する住宅と呼べそうだ。

 自動車メーカーのホンダは家庭用ガスエンジン・コージェネレーション・ユニットを核としたスマートホームを提案した。ここのキーテクノロジーについては機会をみて詳細を届けるつもりだが、肝はホンダが世界で初めて開発した「EXlink」エンジンにある。

 トヨタでも電気を「つくる、ためる、かしこく使う」をキーワードに「クルマとつながる」、「トヨタスマートセンター」とインターネットでつなぎ、外出先からスマートフォンで自宅を制御できるシステムを紹介していた。また、プラグインHVのプリウスなどに無接触充電が可能となる充電器や2人乗り(タンデム)新世代の電気自動車のプロトタイプ「i-ROAD」が展翅された。

 また、大手セットメーカーでは、HEMSやスマートフォンに関連するエアコンや冷蔵庫などの白物スマート家電(WiFi通信が可能な家電)が数多く展示されていた。

 ここに一つ大きな疑問が生じた。各メーカーではすべての環境下で、スマートハウスやHEMSを構築する場合にWiFi(無線LAN)がつながることを前提として製品やシステムを紹介している。一般的に、金属に囲まれた環境や屋外に対する通信、屋内でも1階から3階までの通信など、WiFiだけでは、カバーが困難で通信自体が難しい環境がたくさんある。これらの問題はどのようにすれば、解決できるのだろうか。

 この疑問を解決する手段として、京都の半導体メーカー、ロームが興味深い展示を行っていた。それは、プラチナバンド(920MHz帯特定小電力)と呼ばれる通信や、家庭内コンセント電源網を使った電力線通信の「HD-PLC」である。

 プラチナバンドはテレビCMでも度々話題に上がっていたが、WiFiよりも、曲がることを得意とし、入り組んだ屋内での通信に適している。また、電力線通信「HD-PLC」は既存の電力線を使う点で新たに配線をする必要がなく、無線が苦手とする金属に囲まれた環境下や、屋外灯などの屋外との通信を得意とする。これらを活用して、スマートハウスやHEMSを構築すれば、より高品質な通信を実現できるだろう。

 同社は多くの通信技術(無線LAN(WiFi), HD-PLC, 920MHz帯特定小電力, 電池レス無線通信EnOcean, BlueTooth)などを有しており、今後拡大するスマートハウスやHEMS市場に対して最適なソリューションを提供するという。

 現在のスマートハウスの概念は冒頭で説明したとおりだが、企業による取り組み分野の違いが大きく、トータルソリューションとして未達の部分も多く存在する。さらなる普及のために、一部で動きのある、住宅メーカー+半導体・電気機器メーカー+自動車メーカーなどの協業にとどまらない、コーディネーターの出現が必要なのかもしれない。(編集担当:吉田恒)