9日のNYダウは大幅安の時間帯もあったが26ドル高で3日ぶり反発。FRB次期議長にイエレン副議長が正式に指名され改めて好感された。雇用を重視する穏健派で量的緩和縮小は急がないとみられ、市場は安心感を持っている。しかし連邦議会は事態が全く進展しない。10日朝方の為替レートは、ドル円が97円台後半、ユーロ円が131円台後半で、ドルが少しだけ高くなっていた。
ノーベル賞は自然科学系3分野の日本人受賞者はいなかったが、日経平均は59.78円高の14097.62円で始まり、午前9時台は14100円をはさんで上下約30円の幅で変動した後、10時台には14100円台で安定し、ドル円の97円台後半への円安進行、上海市場の国慶節休暇明けの続伸を追い風に上げ幅を拡大した。
後場はやや安く始まっても、オバマ大統領が共和党有力議員をホワイトハウスに招くという速報が入って水準を少しずつ切り上げる展開だったが、午後2時台に入ると14185円をピークに下落トレンドに入り、14120~14150円圏でもみあう。それでも翌日のマイナーSQ値を意識した買いなのか大引けにかけて急上昇し、午後3時ジャストに14200円にタッチして終値は156.87円高の14194.71円で3日続伸。TOPIXは+11.05の1177.95で高値引け。売買高は22億株、売買代金は1兆7929億円だった。
上昇セクター上位は医薬品、食料品、海運、輸送用機器、精密機器、その他製品など。下位は石油・石炭、ガラス・土石など。下落セクターは非鉄金属、その他金融、銀行、鉄鋼の4業種だった。
10日のNYダウは323ドルの大幅高で15000ドル台回復。ベイナー下院議長(共和党)が「6週間限定の債務上限引き上げ案」を提案。デッドラインの先延ばし策で暫定予算案にもオバマケアにも触れていないが、事態が動き出したのは確かで、市場は財政問題解決への期待を今年最大の上昇幅で示した。しかしオバマ大統領はすぐには提案に合意せず引き続き協議。ドル高・円安が急進し、11日朝方の為替レートはドル円が98円台前半、ユーロ円が132円台後半になった。
NYダウの大幅高と円安進行を受けマイナーSQの日の日経平均は182.18円高の14376.89円で始まった。午前9時6分に出たSQ値は14349.65円と高く、前場はその前後の水準の小動きが続く。午前10時30分すぎから14400円ラインに接近し、前引けは14381円だった。昼休み、G20財務相・中央銀行総裁会議でアメリカのルー財務長官とバーナンキFRB議長が「17日までに債務上限をめぐる対立は解消するだろう」と説明したという速報が入り、後場はいきなり日経平均は14400円台、TOPIXは1200の大台に乗せてスタート。しかし午後1時45分頃から14400円を割り込んで朝のSQ値14349円を下回る水準まで下落する。やはり3連休前の金曜日は利益確定売りがきついかと思われたが、大引け前の約20分間で14400円台を回復し、4日続伸し210.03円高の14404.74円で、4勝1敗、前週末から380.43円上昇して今週の取引を終えた。だがTOPIXは+19.22の1197.17で1200台で終われなかった。売買高は24億株、売買代金は2兆2708億円で、SQの日だが6日ぶりに2兆円台を回復した。
全33セクターがプラス。上位はその他金融、パルプ・紙、鉄鋼、ゴム製品、銀行、機械など。下位は石油・石炭、空運、電気・ガス、食料品、医薬品、水産・農林などだった。(編集担当:寺尾淳)