来年4月の消費税増税を控え、駆け込み需要が本格化し、国内重要が、活発化してきた。今”アベノミクス”で経済が上向き傾向にある中、さらに景気回復の動きが顕著になったと言えそうだ。
円安傾向で、潤った企業が設備投資に動き出したのだ。しかし喜んでばかりはいられない、増税後の先行き不透明感から大企業では、賃上げや大型投資は慎重な気配も見られることだ。
増税を乗り越えてデフレからの脱却には、まだ相当の時間がかかりそうだ。そうした一例として挙げられるのが、今話題を呼んでいるサンリオだ。
キャラクターに合える屋内型コミュニケーションパークとして注目されているサンリオピューロランド(東京都多摩市)の顧客動員数が急増している。今年の4~9月の外国人客は、前年の1.5倍増と急増しており、その傾向は現在も続けられているという。
日本政府観光局によると、1~8月の訪日外国人数は、前年を大きく上回っており、年1000万人を超える勢いだ。年1兆3000億円と個人消費の0.4%分のお金を国内で使う見通しだ。
リーマンショック前までは、日本の景気回復後は円安で、輸出が増える外需主導だった。今回はそれとは多少違う。金融緩和による円安・株高をテコに個人消費がまず浮上し、企業が増産に動いた。円安は、日本企業の競争環境を一変させた。
9月の日銀短観では、2013年10月~14年3月期の製造業による設備投資は、前回6月の調査に比べ、4.2%の上方修正した。上方修正の幅は、大企業より、中堅中小企業の方も借り入れやすくなったと言えよう。
しかし今好調を続ける傾向にある日本の内需志向も、来年春の消費増税後、消費需要が弱まることは十分予想され、その時外需の回復が想定を下回っておれば、日本経済の沈滞も懸念されることが残る。
現在米国、韓国などデフォルト(債務不履行)の危機が叫ばれている中、そうしたことが現実になれば日本への影響は、これまでにない大きな影響を受けることになるだろう。そうした世界経済の状況を見据えて、日本の生きる道を慎重に考えていかねばならないだろう。(編集担当:犬藤直也)