政府は12日の閣議で東日本大震災からの復興状況について国会への報告のための内容を閣議決定した。東日本大震災復興基本法に基づくもので、今回は昨年10月から今年9月までの間を中心に取りまとめたとしている。
それによると、復興の現状では「当初約47万人いた避難者は約28万人になり、そのほとんどが仮設住宅等に入居。仮設住宅等への入居戸数は減少しはじめており、住まいの再建への動きが進みつつある」としているほか、「公共インフラは概ね復興施策に関する事業計画と工程表に基づき、着実に推進。高台移転や土地のかさ上げ等の事業は大半について事業計画の策定が完了し、順次着工が始まりつつある」としたうえで「住まいの復興には時間を要する見通し」とした。
また「原子力災害からの復興については避難指示区域の見直しが完了。併行して、除染、インフラ復旧、長期避難者に対する支援、放射線による健康不安の解消に向けた取組等が行われているが、帰還の見通しを持つには至っていない」とした。
一方、取り組みについては「平成24年12月以降、現場主義に立って施策の総点検を行った」とし「これを踏まえ、地震・津波災害からの復興については1日も早い住宅再建・復興まちづくりに向け、復興事業の工程や目標等を示し、事業の加速化に向け取り組んでいる」「原子力災害からの復興については放射線による健康への影響の懸念をはじめとする不安がある中で、避難者の帰還・定住のための環境整備と長期避難者に対する支援に取り組んでいる」「震災復興の中で、我が国や世界のモデルとなる新しい東北の創造に向け、地域の先導的な取組を支援するとともに、人材派遣や民間投資を促進するため、官民連携を推進する新たな仕組みを構築している」など、政府としての取り組みを伝えている。(編集担当:森高龍二)