除染など国の役割強化の前提 東電一層の合理化

2013年11月12日 17:53

 自民党と公明党は東京電力福島第一原発事故災害からの復興への加速化に向けた提言を11日、安倍晋三総理に申し入れた。『すべては被災者と被災地再生のために』と題された提言では(1)被災者の新しい生活の支援や健康管理・健康への不安対策をはじめ、(2)除染加速のための計画見直しや中間貯蔵施設の建設促進(3)廃炉・汚染水対策など5項目について、見直しや国としてより踏み込んだ取り組みを行うよう求めている。

 また、国民の理解を得るため「国の関与の大前提として、東電自らの努力、一層の徹底した社内の合理化をすすめ、厳しい自己改革が必要」とし「その際には経営者だけでなく、関係者を含めた企業としての東電全体が責任を果たすことが重要である」と東電関係者全体で責任を負う実効性を指摘した。

 提言は「原子力事故災害からの復旧・復興が遅れている」とし、除染については「現在計画されている除染を実施した後の更なる取り組みについては、国は復興のインフラ整備・生活環境整備といった公共事業的観点から、帰還者・移住者の定住環境の整備など、地域再生に向けた取り組みとして検討する」よう求めた。

 また、除染の加速化のため、帰還可能な区域の除染を優先的に実施し、除染に投入する資源をそこに集中させるよう」求めている。

 廃炉・汚染水対策では「東電と国の責任の所在を明確化し、原子力事業や災害に関する各法律で、国がより前面に出るための国の法的立場を明確にしたうえで、必要な資金の拠出や実施体制への関与のあり方、規模を早期に明確化すること」とした。また、廃炉・汚染水機能の国の司令塔機能の強化を求めた。(編集担当:森高龍二)