ロート製薬、業績好調 通期見通しを上方修正。アジアでの販売が好調。

2013年11月14日 07:08

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ロート製薬の第2四半期決算は、収益性が大きく改善し利益は3割を超える増益

 ロート製薬<4527>は11月12日、2014年3月期第2四半期決算を発表した。その内容は、売上高は645.9億円で前年同期比9.9%の増収、営業利益は74.14億円で31.7%の増益、経常利益は77.49億円で30.4%の増益、四半期当期純利益は45.23億円で31.2%の増益と、非常に好調だった。前年度の第2四半期の利益は全て減益だったので、特に収益性が大きく改善している。

 第2四半期の好業績を受けて、2014年3月期通期の業績見通しを、5月15日に発表した当初見通しに対して売上高は15億円、営業利益は13億円、経常利益は11億円、当期純利益は3億円、それぞれ上方修正した。通期の売上高は1435億円で11.1%の増収、営業利益は173億円で20.3%の増益、経常利益は174億円で18.1%の増益、当期純利益は106億円で31.1%の増益を見込んでいる。大幅な増収増益で、売上高は21期連続増収で、利益は過去最高益を更新する。なお、年間配当予想は5月15日に発表した18円(前期比1円増配)と10期連続増配予定。

 ■好決算の原動力はアジアでのスキンケア製品の好調な販売

 第2四半期の売上高の増減を製品(サービス)別に見ると、アイケア関連が2.5%増、内服・食品関連が5.4%増、その他が14.7%減だったのに対し、スキンケア関連が14.7%増と2ケタの伸びを示した。通期では16.2%の伸びを見込み、その売上シェアは65.7%に達して「スキンケアのロート」というイメージはますます強くなる。

 売上高の増減を地域別に見ると世界の全地域で増収だったが、日本国内の2.3%増に対して海外販売が非常に好調だった。その内訳はアメリカが20.7%増、ヨーロッパが22.2%増、アジアが35.7%増で、特に中国などアジア地域での販売が当初見通しの30.9%を大きく超えて伸びている。アジアでは「肌研(ハダラボ)」を積極展開し、男性用化粧品「メンソレータム メン」、日やけ止め「サンプレイ」などスキンケア関連が好調に推移して増収に寄与した。

 アジア地域のセグメント利益(営業利益ベース)は16.23億円で、前年同期比で64.7%伸びた。地域の年間売上シェアは2012年3月期20.0%、2013年3月期21.8%と伸びてきたが、通期見通しでは379億円の売上を見込み、全体の売上高見通し1435億円の26.4%と、4分の1を超える見込みである。

 アメリカでは主力のスキンケア製品「ソフトリップ」が競争激化の影響を受け現地通貨ベースで減収となったが、為替の円安の効果で円ベースでは増収だった。なお、第2四半期決算発表時点で通期の想定為替レートを1ドル=95円から98円に改めている。

 日本国内で売上が伸びた製品は、二の腕や太ももの皮膚症状の治療薬「メンソレータム ザラプロ」などのスキンケア医薬品、男性用デオドラントスキンケアブランド「デ・オウ」、スキンケア化粧品ブランド「オバジ」など。「肌研(ハダラボ)」では8月に発売した「極潤(ゴクジュン)3Dゲル」などが好調な滑り出しを見せた。

 コスト面では、広告費の一部が下期に繰り延べになったことなどが利益の押し上げに寄与した。販管費など費用の効率的な活用に努めながらも売上高に占める広告費の割合は前期の15.1%から15.6%に伸びる見通しで、売上高比3.2%を維持する研究開発費とともに、新製品の開発、世界での販売を支える。

 ■単元株式数、株主優待の変更で「株主にやさしい会社」を目指す

 2014年1月6日、東京証券取引所で1年の取引が始まるこの日に、ロート製薬株の売買単位は1000株から100株に変更され、最低購入金額はほぼ10分の1になる。そのための定款の一部変更が11月12日の取締役会で決議された。単元株式数の変更で、特に個人投資家にとってより投資しやすくなり、2014年1月から始まる「NISA(少額投資非課税制度)」で投資対象にロート製薬株が選ばれる可能性が高まる。

 同時に株主優待制度の変更も行われ、従来の保有株式数「1000株以上」という条件が「100株以上」に引き下げられた。最低単元の100株を保有する株主でも自社通販品の割引特典が受けられ、3年以上保有すれば3000円以上の自社製品が贈呈される。これは2014年3月末現在の株主名簿に記録された株主から適用される。

 こうした制度変更で、ロート製薬は特に個人投資家にとって「株主にやさしい会社」になることを目指している。(編集担当:寺尾淳)