【今週の振り返り】215円も上昇した?と思えるほど停滞した週

2013年11月23日 12:32

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高値警戒感で上値が抑えられて3日連続でポイントを失い、最後は強烈な先物大口売りパンチ

 前週末15日のNYダウは85ドル高。3日連続で史上最高値を更新し16000ドルの大台まであと39ドル足らず。ニューヨーク連銀製造業景気指数、鉱工業生産指数が市場予測を下回って悪化しても、高級デパートのノードストロームの決算が悪くても、マーケットが金融緩和長期化期待で盛り上がる「イエレン相場」にはかなわない。25日朝方の為替レートは、ドル円は100円台前半、ユーロ円は135円台前半で、ユーロ高が進んだ。

 週明けの日経平均は87.32円高の15253.24円で始まる。さっそく利益確定売りのアゲインストの風が吹き15106円まで下げるが、20分ほどで反転して始値を上回り15273円まで伸びる。強いトレンドが継続しているかと思いきや、午前10時台前半には前日終値付近まで100円を超える下落を喫する。上海、香港市場の続伸スタートで戻しても上値が重いまま前引けというせわしない展開。一気通貫で1週間で1079円、7.7%も上昇した後だけに、上がれば高値警戒感で押し下げられるが、下げればすかさず押し目買いが入るというデリケートな相場が続く。

 後場はやや落ち着きを見せ、午後1時台前半はおおむねプラス圏の40円高以内の小幅高で推移していたが、1時30分すぎからマイナス圏に沈む。2時台は15200円近辺まで戻しても、為替のドル円がたびたび100円を割り込むようになったために再びマイナス圏に落ちるなど出入りが激しい。日経平均はマイナスでも、時価総額が大きい金融関連銘柄が堅調のせいかTOPIXはほとんどの時間プラスのままで、先物の売りが断続的に出て日経平均だけが下がっていた。2時40分頃から終値をプラスにしようと猛チャージをかけるがあと一歩及ばず、1.62円安の15164.30円で3日ぶりに小反落。日中値幅は167円あった。TOPIXは+2.63の1241.67と手堅くプラスでまとめて3日続伸。売買高は28億株、売買代金は2兆4854億円だった。

 業種別騰落率はプラス20業種、マイナス13業種。プラス上位セクターはゴム製品、その他金融、保険、銀行、証券、鉄鋼など金融系が多かった。マイナス下位セクターは空運、倉庫、陸運、鉱業、ガラス・土石、非鉄金属などだった。

 18日のNYダウは14ドル高で4日続けて史上最高値更新。アジア、ヨーロッパの株高を受けて午前中に16000ドルの大台を突破したが、終盤は有名投資家のアイカーン氏が高値警戒感を口にしてマイナスになる局面もあり終値は15976ドル。次世代大型旅客機の受注が好調と発表したボーイング株が上昇。ソニー<6758>の「PS4」の人気ぶりに影響されて今週、新型ゲーム機「Xbox One」を発売するマイクロソフト株は下落した。ソニーのADR価格は上昇。19日朝方の為替レートは、ドル円は99円台後半、ユーロ円は134円後半で、前日よりも円高に振れていた。

 日経平均は67.67円安の15096.63円と安く始まる。午前9時台は15080~15150円の小動きで推移するが、10時台になるとアップダウンが激しくなり、15120円近辺まで上昇したかと思うとドル円99円50銭台まで円高が進行するにつれて大台割れ寸前の15020円まで下げる。振幅はTOPIXよりも大きい。15050円近辺まで戻して後場もその水準で始まるが、午後1時すぎに15130円近辺まで上昇した後で50円下げるなど落ち着かない。2時台は15100円台を回復し、ドル円が100円に接近して前日同様に大引け15分前から猛チャージ。1.24円安まで上昇するがプラスには浮上できず終値は37.74円安の15126.56円だった。円安一服で日経平均が軟調でも15000円の大台は割らず、挑戦を何度もはね返した15000円も、いったん突き抜ければ今度は下値のサポートラインとして機能してくれるようだ。TOPIXは-4.81の1236.86。売買高は22億株、売買代金は1兆9424億円で、6日ぶりの2兆円割れだった。

 値上がりセクターは8業種で水産・農林、繊維、精密機器、石油・石炭、鉄鋼、海運など。値下がりセクターは25業種で銀行、その他金融、陸運、パルプ・紙、不動産、機械などだった。