ロンドン、NYに負けない。2020年には「JPN TAXI」が日本を走る

2013年11月24日 19:26

トヨタ

「JPN TAXI Concept」は、日本の自動車交通インフラを考慮した5ナンバーサイズ。全長×全幅×全高は4350×1695×1700mm、ホイールベースは2750mm。この寸法は、同社のプリウスよりも全高以外は小さいコンパクトなモデル。が、プリウスに比べてホイールベースは50mm長い。これは後席居住性の確保が目的だ。

 やっと日本でも「日本に合ったタクシー専用車」が開発された、かも? 現在開催中の「第43回東京モーターショー」(TMS)でトヨタブースに展示される「JPN TAXI Concept」がそれだ。このモデルは、国交省の「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領」に適合している。

 現在、東京を走っているタクシーの多くは、トヨタ製「クラウン・コンフォート&コンフォート」と日産製「セドリック・セダン」である。トヨタ製は1995年、日産製は1987年デビューした車両で基本設計は相当に古い。クラウン・コンフォートの方が新しそうに思えるが、基本的な設計は1988年にデビューした同社のX80型系マークⅡだから、両社のタクシー車両は基本的に四半世紀も前のクルマを改良しながら作り、使っていることになる。日産などは、ロンドン・タクシーを生産、今年はニューヨーク・タクシーをデビューさせたのに、である。

 そんな貧弱な日本のタクシー車両が改善されるかもしれない。

 トヨタ「JPN TAXI Concept」は、日本の自動車交通インフラを考慮した5ナンバーサイズのコンパクトで取り回し性のいいボディを採用した。その全長×全幅×全高は4350×1695×1700mm、ホイールベースは2750mm。このディメンションは、同社量販ハイブリッドモデルのプリウスのボディサイズ4480×1745×1490mmよりも全高以外かなり小さい。実にコンパクトなモデルといえる。しかしながら、プリウスに比べてホイールベースは50mm長い。これは後席居住性の確保が目的だと思える。

 トヨタでは「優れた乗降性と余裕ある室内空間を実現した次世代タクシーパッケージ」としているが、確かに狭いタクシー乗り場で便利そうな助手席側リア大開口電動スライドドアや低いフロア高は、使い勝手が良さそうである。

 車両のデザインもなかなかチャーミングで、タクシー会社でカラーリングに工夫を凝らせば、子供にも人気が出そうなモデルだ。

 パワーユニットや主要諸元についてTMS会場では言及していないが、「タクシーの走行パターンに最適化した環境性能と経済性をもった新LPG(液化石油ガス)ハイブリッドシステムを採用する」とされている。(編集担当:吉田恒)