消費税率10%時に軽減税率を導入することが与党の来年度税制改正大綱に盛り込まれたが、その導入時期については、消費税10%引き上げと同時に導入すべきとする公明党と導入時の事業者の事務負担や軽減税率対象品の範囲設定や軽減税率導入による減収にかわる他の財源確保策など軽減税率導入を決めたものの、導入に慎重な自民党との間での温度差が15日のNHK番組でも浮き彫りになった。導入時期については調整が難航しそうで、消費税率引き上げが先行する可能性が高い。
公明党の斉藤鉄夫税調会長は15日のNHK番組で「食料品への軽減税率は特に必要」としたうえで「消費税率10%引き上げの時に導入することをめざす」と制度設計を急ぎ、消費税10%と同時スタートに改めて意欲を示した。
食料品を対象にした場合、具体的にどこまでを対象にするのかが課題になるが、この点についても斉藤氏は「酒と外食を除く、食料品全般とする」ことで仕分けが明確になり、事務負担が軽減されるとの考えを示した。
一方、自民党の野田毅税調会長は税制改正大綱の「消費税率10%時に軽減税率を導入する」としている意味について「軽減税率は消費税率引き上げ時とセットという意味も含まれている。一方、場合によっては10%引き上げ後ということもあり得るということもあるといわれている」と自公によって解釈に違いのあることも認めたうえで、消費税引き上げが社会保障財源確保のためのものであることの原点から考え「軽減税率の導入によって、どれくらいの減税になるのか、その財源をどのような形で確保するかも同時に検討しなければいけない」と語った。
また、「納税実務者(事業者)が混乱するようなことになってはいけないので、現場(事業者)の理解と現場でスムーズな実施体制がとれるかどうかが大事」とした。
与党は来年12月までに軽減税率の対象品目など詳細についての結論を得る考えで、詳細を決めるのに「政治家だけでやるのではなく、関係者も含め検討していく」(野田氏)意向だ。(編集担当:森高龍二)