軽自動車が売れている。全国軽自動車協会連合会が発表した昨年11月の軽自動車新車販売台数は18万971台で、11月としては最多を記録。13年全体でも「軽」の販売台数は210万台前後と、過去最高となることがほぼ確実となった。
ソニー損保の「2013年 全国カーライフ実態調査」によれば、軽自動車を運転している割合は、10~20代男性で実に4割。同世代の女性では6割半にも上る。若者のマイカーに占める軽自動車の割合は、この3年で男女ともに15ポイントずつアップした。
背景には価格や維持費の安さに加え、安全性や乗り心地など軽自動車のクオリティーが向上していることがある。
ダイハツは昨年末に「ムーヴ」の改良モデルを発表。軽乗用車としては初めて「衝突回避支援システム」を採用し、価格も107万円とこれまでで最も安く抑えた。燃費もガソリン1リットあたり29kmと、最長を実現。安全性と価格と燃費も3つを兼ね備えたニューモデルだ。
ホンダは昨年11月、「N」シリーズの第4弾モデルとなる「N-WGN(エヌワゴン)」などを発売。大人4人がくつろげる広い室内空間と、高級感のあるインテリアを採用した。安全面では予期せぬ車の横滑りを抑える制御システムなどを装着し、燃費も29.2kmを実現。専用サスペンションなどにより、高速道路でも安定した走りが可能になるという。価格も113万円代からと安い。
軽自動車の性能が向上したことで、小型車との差はそれほどなくなりつつある。小型車から乗り換える人も多く、今や日本メーカーが日本で売る新車のうち、4割以上が軽自動車だ。世帯あたりの軽自動車普及率(※注)は13年3月末で100世帯あたり51.8台。12年度末から0.8台増えた。消費増税前の駆け込み需要や、15年の軽自動車税引き上げを見据え、今年はさらに「軽」の需要が高まるだろう。(編集担当:北条かや)
(※注 軽自動車の世帯あたり普及率:総務省の「住民基本台帳世帯数」と国土交通省の「自動車保有車両数」をもとに、全国軽自動車協会連合会が算出した数値を使用)