子供1人につき必要となる教育費の推移を調べたところ、私立の幼稚園と小学校では前年より減少していたものの中学校と高等学校では増加していることがわかた。幼稚園から高等学校まですべて私立に通った場合は約1677万円となり、すべて公立に通った場合の(約500万円)3.36倍だった。文部科学省が調査した2012年度「子供の学習費調査」で明らかになった。
調査は子供1人当たりの学校教育および学校外活動に支出した経費の実態をとらえ、教育に関する施策を検討するための基礎資料とするために行われた。
「学習費総額」は私立幼稚園は48.7万円(昨年比5.1万円減)、私立小学校142.2万円(同4・3万円減)であり、私立幼稚園と小学校で減少していた。
一方で私立中学校は129.5万円(同1.6万円増)、私立高等学校は96.7万円(同4.4万円増)と、私立中学校と高等学校では増加していた。公立ではいずれの学校種においてもほぼ横ばいだった。
公立学校と私立学校の学習費の差は、私立は公立に対し、幼稚園では2.1倍、小学校では4.7倍、中学校では2.9倍、高等学校では2.5倍となっている。
「学校外活動費」(学習塾、習い事などへの支出)は公立、私立のいずれにおいても中学校、高等学校、大学等の進学が近づくにつれ増加傾向。公立では中学3年生の約36.4万円が、私立では小学校6年生の約72.4万円が最も多くなっている。
「学校外活動費」の合計は男女間でほぼ同様であるが、私立高等学校では男子の支出がやや多い。学習塾などの「補助学習費」を除いた「その他の学校外活動費」をみると、いずれの学校種においても私立高等学校を除き女子の方が多い傾向にあった。
世帯の収入別にみた「補助学習費」は、世帯の年間収入が増加するといずれの学校種別においてもおおむね増加していた。公立学校では中学校段階での支出が最も多く、私立学校では小学校段階での支出額が多い傾向がみられた。
教育費が家計に重くのしかかる実態が、今回の調査で改めて浮き彫りになった。調査結果を生かし、親の収入格差が子供の教育格差を生まないよう、効果的な施策の検討を望みたい。(編集担当:横井楓)