【先週の振返り】リスクオフがおさまらず477円も下落した週

2014年02月02日 10:30

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FOMCが新興国経済を無視して海外要因の波乱がなお続いても、終値は14900円を割り込まなかった

 前週末24日のNYダウは318ドル安で16000ドルを割り込み約1ヵ月ぶりの安値に沈んだ。30種の上昇銘柄は決算が良かったマイクロソフト、P&Gとメルクだけ。世界同時リスクオフはとどまるところを知らず、世界同時株安は当然のこと、アルゼンチンペソなど新興国通貨も豪ドルなど資源国通貨も、ドルもユーロも下げ続け、スイスフランまで対円で下落する始末。日本円への逃避、債券への逃避、金への逃避がとめどなく続いた。27日朝方の為替レートは、ドル円は早朝の101円台からやや持ち直して102円前半、ユーロ円は139円台後半になっていた。

 世界同時リスクオフのまま週が明け、大台割れ覚悟の日経平均は300.11円安の15091.45円で始まる。売り気配の主力株に値がつくと15000円を割り込み、午前9時17分に14933円まで下げたがすぐリカバリーし、15000円にときどきタッチする小動きが前引けまで続く。支えになったのが東京外為市場が開いた後の為替レートで、ドル円もユーロ円も早朝の水準からやや円安方向に振れ、ユーロ円は140円にタッチした。上海総合指数は反落し香港ハンセン指数は大幅安でも東京市場は押し目買い意欲がけっこう旺盛で底堅く、前引けは15009円だった。

 後場も15000円近辺で、先物売りと押し目買いが均衡したような安値もみあいが延々続き、その間に為替は徐々に円安に振れてドル円は102円台半ばになり、ユーロ円は140円台に定着。日経平均は15000円を少し上回る水準で推移する。動きに乏しいまま大引けになり、終値は385.83円安の15005.73円で3日続落し、1月は週明け4連敗になったが、15000円台は維持した。日中値幅は176円。TOPIXも-35.37の1229.23で3日続落。売買高は32億株、売買代金は2兆8502億円で、押し目買いも入って商いは活発だった。

 全業種マイナスで、下落幅が小さい業種は水産・農林、建設、陸運、小売、食料品、精密機器など。大きい業種は保険、鉄鋼、その他金融、不動産、証券、機械などだった。

 27日のNYダウは41ドル安。午前中はキャタピラーの好決算を好感して高かったが、その後は新築住宅販売件数の前月比7%減を嫌気して下落。午後に買い戻しが入ってプラスになってもFOMC前にポジションを持つのを避けようと終了直前に売られ結局マイナスという展開。5日続落したが、トルコ中央銀行が臨時会合を開くと決め利上げ観測が出るなどして新興国通貨が下げ止まり、恐怖指数(VIX指数)が低下して株式市場にも買い戻しが入った点に「リスクオフ一服」の気配も漂う。アップルは取引終了後発表した決算が失望売りを誘い時間外取引で7%を超える大幅下落。28日朝方の為替レートは、ドル円が102円台半ば、ユーロ円が140円台前半で、前日夕方とほぼ同じ水準だった。

 日経平均は32.91円高の15038.64円で始まる。しかし午前9時4分には15000円を割り込みマイナスに。9時7分の14952円で下げ止まり15000円の大台手前で小動き。9時30分すぎにはプラスに浮上して右肩上がりの上昇をみせたが、またもや目覚まし時計のように10時かっきりに先物の仕掛け売りが入った。しかし15分後には元の値段まで戻った。上海、香港がともに反発スタートすると日経平均も10時40分には15088円まで上昇。その後は下げてもマイナスにならず前引けは15020円だった。TOPIXは前場ほとんどの時間でプラスを維持した。

 後場も小幅プラスで始まりおおむね15000~15060円の狭いレンジで小動き。午後1時30分すぎ、2時30分すぎに15000円を割り込んでもすぐ戻す。しかし大引け前にはTOPIXとともにマイナスになったりプラスになったりし、結局25.57円安の14980.16円で15000円台を守りきれず4日続落。日中値幅は136円だった。直近3営業日で日経平均が終値ベースで815円、ザラ場ベースで1025円も下落するとさすがに底堅いが、それでも「FOMC待ち」には勝てない。大引け直前の売りでTOPIXは-4.92の1224.31で安値引け。売買高は27億株、売買代金は2兆6790億円だった。

 値上がりセクター上位は機械、小売、非鉄金属、不動産、倉庫、ゴム製品など。値下がりセクター下位は情報・通信、鉱業、空運、電気・ガス、建設、その他製品などだった。

 28日のNYダウは90ドル高。耐久財受注額が市場予測を下回ってもCB消費者景気信頼感指数は80.7と好調で、アップルが大幅安でもフォードが通期で増収増益、デュポンの10~12月期の純利益は前年比ほぼ倍増、2ケタ減益のファイザーも調整後1株あたり利益は市場予測よりも上でそれぞれの株価は上昇し、NYダウは終日プラスで推移した。それでも3ケタ高にも16000ドル台回復にもならないのはやはり「FOMC結果待ち」か。