電機大手も全滅でNEC<6701>は18円安、パナソニック<6752>は78円安、シャープ<6753>は29円安、東芝<6502>は14円安。前日の決算が良かった三菱電機<6503>も、野村證券が目標株価を引き上げたが反落し82円安だった。船井電機<6839>は業績は大幅に改善したものの187円安で値下がり率6位。日東工業<6651>はいちよし経研がフェアバリューを引き上げて10円高で値上がり率9位。愛知県が本社の電設資材のキャビネットや配電盤を製造するメーカー。LED照明が堅調な岩崎電気<6924>は18円高で値上がり率2位。前日に4~12月期決算を発表し、営業損益は前年同期の赤字から5.6億円改善して、通期の営業利益見通しも4億円上方修正している。
カジノ関連銘柄のオーイズミ<6428>は大阪のカジノ構想と関係が深いが、橋下徹大阪市長が辞任して出直し市長選を行う事態になり126円安で値下がり率14位。原発関連銘柄の代表格と目される日本製鋼所<5631>は4~12月期の純利益が52%減になり58円安で昨年来安値更新。原発が再稼働しないと周辺機器や補修の需要が発生しない。火力発電のほうでは三菱重工<7011>と日立<6501>が母体の新会社、三菱日立パワーシステムズが発足。西澤隆人社長は火力発電プラントのビッグ2の名を挙げ「GE、シーメンスに倍返しだ」と気勢をあげたが、三菱重工は42円安、大引け後に決算発表を控えた日立は38円安だった。
日本ペイント<4612>は好決算だったがウットラム社への第三者割当増資の実施を発表し希薄化懸念で364円の大幅安で値下がり率1位。日立造船<7004>は133円の大幅安で昨年来安値を更新して値下がり率2位。日本郵船<9101>、商船三井<9104>はともに20円安、川崎汽船<9107>は17円安で、バルチック海運指数が新興国経済の先行き不安で10日続落したため日本商船銘柄隊の針路の波高し。三井物産<8031>は4~12月期の純利益が16%増の2950億円という業績観測報道が出たが53円安に終わった。三菱商事<8058>は後場に決算を発表し、純利益は17%増、配当予想は4円上方修正して9円増配で、通期の経常利益も上方修正したが市場予測に届かず105円安だった。
任天堂<7974>はプラスとマイナスを行ったり来たりの末125円安。コンテンツ関連では着メロやコンテンツ配信を行うフェイス<4295>が老舗レコード会社の日本コロムビア<6791>にTOBをかけると発表し、日本コロンビアはストップ高比例配分の100円高で値上がり率1位だった。結局11円安に終わったフェイスは日本コロンビア株の60%取得を目指しており、完全子会社化すると約16万曲の楽曲の権利を手に入れて音楽データ配信事業で優位に立てるという。
この日の主役は、東証1部だけでなく新興市場も下落一色の総崩れの中で13円高と逆行高だったガンホー<3765>。前日に12月期本決算を発表し、前期比で売上高は6.3倍の1630億円、営業利益は9.8倍の912億円、純利益は6.6倍の547億円と絶好調。初めて250円の配当を行い、上限430万株の自社株買いも合わせて発表した。売上の9割は「パズル&ドラゴンズ」で、その新作を2月中に発売し、今年中に続編の新ゲームを投入して家庭用ゲーム機向けにも進出するという。「ケリ姫スイーツ」「ディバインゲート」が今のところポスト・パズドラ候補だが、「黒猫のウィズ」が好調を維持しながら「三国志」が人気化したコロプラ<3668>のようにヒット作を連打できなければ「パズドラこけたら皆こけた」になる恐れもある。10~12月期の営業利益が前四半期の3%減になったのが、投資家としては気になる点だろう。
(編集担当:寺尾淳)