【日経平均】上昇一服どころかボロボロ売られて265円安

2014年02月13日 20:32

 電機も軒並み下落し、ソニー<6758>は36円安、富士通<6702>は前場に昨年来高値を更新しながら6円安、シャープ<6753>は12円安。最終赤字66億円のパイオニア<6773>は2円安だった。セイコーエプソン<6724>は「MSCIスタンダード・インデックス」への新規組み入れが決まり15円高で昨年来高値を更新。約170億円の新規資金流入が見込まれる。通期最終利益を10億円上方修正したシチズンHD<7762>は10円高だったが、日本電産<6594>は売買代金12位ながら475円の大幅安だった。

 中小建設株が値上がり率ランキングをにぎわせ、好決算を出した国土強靱化テーマの土木系銘柄が買われた。22円高で1位の不動テトラ<1813>は売買高でも3位。4~12月期の営業損益が前期の赤字から27.4億円改善して25.3億円の黒字。通期営業利益も16億円から34億円に上方修正し1円から2円に増配。11円高で3位の若築建設<1888>は通期業績見通しの経常利益を8億円から19億円に大幅上方修正し、減益見通しが増益見通しに一変し8年ぶりの2円の復配も発表した。10位の安藤・間<1719>は通期業績見通しを上方修正して23円高になった。

 後場に1月の首都圏・近畿圏マンション販売動向が発表され、首都圏は12月と同じ6.1%増で近畿圏はマイナス。長谷工<1808>は最終利益が80億円上振れし6年ぶりに3円の復配観測が出たが21円安、東京建物<8804>は売買代金11位でも79円安で値下がり率14位、三井不動産<8801>は4~12月期の営業利益が16%増だったが101円安で、不動産セクターは業種別最下位に沈んだ。

 藤倉ゴム<5121>はこの日も売買代金3位と買いを集め115円高で値上がり率2位。一方、4~12月期の最終損益が99億円の赤字だった石原産業<4028>は18円安で値下がり率2位。同1位は連日ストップ安比例配分のリソー教育<4714>。Klab<3656>は変則16ヵ月の12月期決算を発表し、最終損益の赤字が3.2億円から25.6億円に拡大したため76円安で値下がり率11位だった。

 アサヒGHD<2502>の12月期本決算が発表され、プレミアムビールが好調で営業利益は4.7%増の1230億円と過去最高益だったが、市場予測1274億円に足りず127円の大幅安。アナリストが〃メダル獲得〃を期待するから、自己新記録更新でも4位入賞では失望を買うという感じ。バイオ関連のナノキャリア<4571>は通期業績見通しの営業損益が赤字拡大。3月末に1株を100株にする株式分割を発表しても焼け石に水で11400円、6.3%の大幅安。「日高屋」のハイデイ日高<7611>は2月28日に1株を1.2株に株式分割すると発表したが、こちらは業績が良いので77円高。上限280万株、45億円規模で発行済株式数の7%の大規模自社株買いを発表したワタミ<7522>は7円高だった。

 東証マザーズにアメリカ国籍の創薬ベンチャー、アキュセラ・インク<4589>が新規上場した。CEOの窪田良氏は日本人で眼科医。今年の新規IPO第1号で、公開価格1800円に対し9時53分に2300円の初値がつき2014年の「初値>公開価格」は白星スタート。これで新年第1号のIPOは引き分けをはさんで13連勝になった。

 この日の主役はソフトバンク<9984>。前日に4~12月期の決算発表を行い、スプリント買収で売上高は94%増の4兆5617億円、営業利益は46%増の9242億円、純利益は58%増の4882億円の大幅増収増益で過去最高を更新。10~12月期の営業利益も2091億円で市場予測を上回った。ガンホー<3765>など子会社の評価益が利益を押し上げ通期では営業利益1兆円以上を見込み、現状ではNTTドコモ<9437>の8400億円を上回る。株価はADR(米国預託証券)は前日の東証終値より高かったが、東京市場では売買代金1582億円で2位のトヨタに3倍以上の差をつけて堂々の1位だったものの、序盤は売り買いが交錯して乱高下し、その後は低迷し続けて日経平均の足を引っ張り終値は276円安だった。前日に記者会見した孫正義社長は「(国内の)ネットワーク(接続状況)は完全にNTTドコモやKDDIを抜いた」と述べたが、海外ではTモバイルUS買収に司法省の横ヤリが入り、アリババの香港上場計画も暗礁に乗り上げたまま。「国内無敵」でも国境をまたげば七人の敵あり。「思えば、ずいぶん遠くへ来たもんだ。まだまだ満足していない」と、孫社長も中原中也の詩を引用しながら兜の緒を締め直していた。(編集担当:寺尾淳)