帝国データバンクが2014年2月10日に発表した「倒産集計」によると、14年1月の全国の企業倒産件数は809件で、前年同月を5.3%下回った。6ヵ月連続の前年同月比減少だ。6ヵ月以上連続の倒産件数減少は、2010年12月(16ヵ月連続)以来37ヵ月ぶり。負債総額は3016億9600万円で、前年同月を31.5%上回り、4ヵ月ぶりの前年同月比増となった。
業種別では、7業種中4業種が前年同月を下回った。なかでも、建設業は168件、前年同月比12.0%減で、16ヵ月連続の前年同月比減少となった。小売業も150件、同13.3%減で、前年同月比で2ケタの大幅な減少となった。
倒産の主因別の内訳を見ると、「不況型倒産」の合計は680件で、構成比は84.1%となり、前月を1.3ポイント、前年同月を3.8ポイント上回った。「金融円滑化法利用後倒産」は33件で、前年同月比10.8%減と判明した。
規模別では、負債5000万円以上1億円未満が104件、前年同月比27.8%減となった。一方、負債5000万円未満は458件、同1.6%増となった。地域別では、関東が255件、前年同月比28.6%減と北陸が21件、同40.0%減、四国が11件、同15.4%減の3地域が前年同月比減少となった。北海道は28件、東北は34件、近畿は234件、中国は38件、九州は66件と、前年同月比で2ケタの増加となった。
今回は5ヵ月連続で、上場企業の倒産はなかった。負債トップは、エヌ・エス・アール(東京都:破産)の1650億円。負債1000億円以上の超大型倒産の発生は7ヵ月ぶりだ。
2013年4月から2014年1月までの企業倒産件数は、累計で8593件となった。帝国データバンクでは、2013年度(2013年4月~2014年3月)は1万300件前後と見込んでいる。前年度の1万710件を大きく下回る可能性が高いとしている。ただし、中小企業の収益性は徐々に改善しているものの、借入金依存度は依然として高水準、財務面では債務超過状態が続いている。建設業など、業界環境の好転のもと倒産件数が減少している業種がある一方で、運輸業者、アパレル・繊維関連、食品関連など、為替の急変動、原材料高の影響を受け依然として厳しい業種も多いという。今後も、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減や、金融機関のスタンスの変化など不安材料は山積していると予測している。(編集担当・慶尾六郎)。