【日経平均】2ヵ月連続の中国PMIショックで317円安

2014年02月20日 20:47

 メガバンクも証券大手も全てマイナス。自動車は6年ぶりの最高益更新を受けて6年ぶりのベア実施を決めたトヨタ<7203>も50円安、ホンダ<7267>102円安など完成車メーカーは全滅だったが、部品メーカーではEGRバルブユニットの開発が材料視され34円高のデンソー、日経新聞が今期のアメリカ事業の営業利益が2006年3月期の過去最高益並みの模様と報じて13円高で値上がり率15位のカルソニックカンセイ<7248>が健闘した。タイヤメーカーは東洋ゴム工業<5105>が1円高で昨年来高値を更新したが、ブリヂストン<5108>は56円安と続落。大同工業<6373>はベンチャーのFOMM、日本特殊陶業<5334>と水上移動可能な超小型電気自動車を共同開発したと発表し7円高で値上がり率14位。日本特殊陶業は20円安。釣りなどレジャー用ではなく、水害が多いタイでの需要を見込んでいる。

 6年ぶりのベア実施の日立<6501>は25円安、東芝<6502>は9円安、NEC<6701>は4円安、シャープ<6753>は5円安。ルネサスエレクトロニクス<6723>は、生産を国内の2つの子会社に集約する国内工場の集約化と約1000人の早期退職募集を発表し、リストラ策を好感されて26円高で値上がり率6位に入った。キヤノン<7751>は53円安と反落。中外製薬31円高、持田製薬<4534>60円高で他の医薬品大手も小幅安にとどまり、ディフェンシブ系は強かった。

 中国PMIのネガティブサプライズで、いつも中国関連の筆頭に挙げられるコマツ<6301>は67円安、日立建機<6305>は59円安、ダイキン<6367>は193円安、日産<7201>は24円安。いずれも発表後に大きく値を下げた。10円高の資生堂<4911>も11時台はマイナスまで値を下げている。「世界の工場」の中国がお得意先の工作機械関連もファナック<6954>は450円安、オークマ<6103>は55円安で値下がり率15位、牧野フライス製作所<6135>は49円安、不二越<6474>は33円安など軟調。しかしバイテック<9957>は中国の太陽電池大手レネソーラと組んで栃木県の工場で4月から太陽電池を合弁生産すると報じられ2円高で3日ぶりに反発した。中国に縁が深い銘柄が全部ダメだったわけではない。

 ガリバー<7599>は三菱UFJ証券が新規に最上位のレーティングをつけ、目標株価を前日終値697円の約1.7倍の1200円と設定する高評価で49円高、値上がり率2位。海外ではタイに続きインドネシアにも進出する。値上がり率1位は30円高のフルキャストHD<4848>で売買高も10位だった。

 この日の主役は「ロボット」。筑波大学の山海嘉之教授が開発した手足の力を増強する装着型「ロボットスーツ」を介護用に製品化したサイバーダイン<7779>(茨城県つくば市)が前日、3月26日の東証マザーズ上場を承認された。販売代理店は大和ハウス工業<1925>。他に山口大学が介護用のパワーアシストスーツを開発したニュースもあり、政府の支援を受けて介護用補助ロボットを製作する菊池製作所<3444>が503円高でストップ高比例配分。ロボット用ソフトウエアの国際規格認証を世界で初めて受けたセック<3741>がストップ高の700円高で、ロボット向けメカトロ技術を持つハーモニック<6324>が一時ストップ高の331円高で昨年来高値を更新するなど、新興市場のロボット関連銘柄に買いが集中した。外部要因に振り回されてばかりの中、日本の科学技術の明るい話題がせめてもの救いだった。(編集担当:寺尾淳)