この季節、転勤や転居などで新しい保育園を探さなくてはならない親も多いだろう。
少子高齢化と言われる一方で、人口が集中する東京、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、兵庫などでは、依然として待機児童問題を抱えている。一時期、神奈川県横浜市が待機児童ゼロを達成したと報道され、その取組みが高く評価されたが、現在の同市は病児保育の確保に苦戦しているとのことで、やはり保育園問題は常に、地方自治体の悩みの種となっていることがうかがえる。
こうした状況を受けて国は、子ども・子育て関連3法を改正し、2015年から「子ども・子育て支援新制度」をスタートさせることを、既に決めている。これは子どもの一時預かり制度の充実や、質の高い保育の提供を目的とすることに加え、家庭内保育への補助を行ったり、少人数の保育所の運営を支援するなど、今までよりもきめ細かい内容となっている。
また、これに先駆け、昨年10月に発表された「待機児童解消加速化プラン」では、事業所内保育所の設置要件の緩和が定められるなど、ここにきて急速に、国が本気で待機児童解消に取り組み始めたようにも思える。これまでは、事業所が自前で保育所を設置する場合には「自社労働者の子を半数以上」保育する要件がネックとなり設置に躊躇する例も多くあったが、この要件が緩和されることによって、新たに積極的に保育所設置を行う事業所も出てくることが予想される。
地域住民の子どもも、自社労働者の子どもと同様に柔軟に預かることが出来ることで、事業所内保育所の運営費の課題が解消されることも見込める。この「待機児童解消加速化プラン」は保育ニーズのピークを迎えるとされている2017年度末までに待機児童の解消を目指すとされているので、今後3年間で急速に、待機児童対策は進んでいくものと予測される。
安倍政権は”ウーマノミクス”を掲げ、女性の社会進出を提唱しているので、切っても切れない課題である保育園待機児童問題にも同時に大胆な改革を行っているという印象だ。母親が働くときに同時に考えなくてはならない保育園問題だが、むこう3年間ですべての待機児童解消が当たり前のことになっていればいいと願うばかりである。(編集担当:久保田雄城)