ジーエフケーマーケティングサービス ジャパン(GfK)株式会社は26日、パソコンのB2BおよびB2C市場における販売動向を発表した。それによると、B2B市場は2013年中盤から2桁成長が続き、14年に入りさらに加速した。また、14年1月からプラス成長に転じ、3月は駆け込み需要がピークで、家電量販店では数量前年比86%も増加した。
Windows XPサポート終了を目前に控え、パソコン販売が活気づいているという。特にXPの利用率が高いB2B市場は盛り上がりが顕著である。13年年初からリプレース需要により好調に推移していた販売台数は、10月以降は前年比約5割増で推移し、14年に入りさらに勢いが増している。
GfKが13年6月に実施したIT担当者向けの調査ではXPの対策完了時期を14年1~3月とする回答が最多となっており、それが実際の販売動向にも如実に表れているという。同調査においては完了時期を14年4月以降とする回答も見られることから、サポート終了後も緩やかながらXPのリプレース需要は続くと見込まれるとしている。
一方、B2C市場はタブレット端末やスマートフォンの普及に押され、13年は2桁減と落ち込んだ。しかし、14年1月にはプラス成長に転じ、2月も数量前年比7%増と成長を維持した。B2C市場の動きがB2B市場に比べ緩やかである要因としては、XPの利用率がB2B市場ほど高くないことが挙げられる。
XPは個人向けには01年から08年に販売されていた(Windows Vistaの発売された07年以降は収束)。内閣府「消費動向調査(平成25年3月実施調査結果)」によると、パソコンの買い替えサイクルは約5.6年だという。このことから使用頻度によって差があるが、多くが既に買い換えられているとみられるとした。
B2C市場は3月に入り需要が急拡大している。家電量販店におけるパソコンの販売動向をみると、2月後半からは週を追うごとに伸長し、3連休を含む3月17日の週(3/17~23)では数量前年比86%増、金額前年比119%増を記録した。同週の販売は、数量、金額ともにパソコンの販売ピークである年末年始商戦(12/30~1/5)を上回った。
XPのサポート終了に加え、4月の消費増税が迫ったことが販売を大きく押し上げているのは明白だとしている。他の家電製品でも消費増税前の駆け込みが見られるが、それらと比較してパソコンは3月への集中が顕著である。パソコンは年3~4回新製品が発表されるなど製品サイクルが早く、この1~3月にも各メーカーから新製品が発売されている。性能を重視し、購入を期限直前まで待つ傾向が伺える。パソコンの駆け込み需要は3月末まで高い状態が続くと予想されるとした。(編集担当:慶尾六郎)