28日、大手コンビニエンスストアチェーンのファミリーマート<8028>は、韓国の持分法適用関連会社「BGFretail」の所有株をすべて売却すると発表。韓国でのチェーンはセブンイレブンを上回りトップであったが、これによりファミリーマートの韓国での店舗展開はゼロとなった。ただし2013年2月の持分法投資利益は7億円であり、利益面での影響は少ないとみられている。
ファミリーマートは1990年に、韓国の現地企業であり自動販売機運営などを手掛ける「晋光」とライセンス契約を結び、韓国への進出をはたした。その後99年には後継の晋光ファミリーマート(現BGFretail)に資本参画、そして合弁方式による事業展開を始めた。「BGFretail」は積極的な店舗出店により韓国内にて成功を収め、海外のエリアフランチャイザーとして確固たる地位を築くに至った。14年2月末には7925店を展開。ファミリーマートにおける2月末の海外店舗数は1万3075店であり、韓国での店舗数はそのうちの60%を占めていた。
しかし12年6月に「BGFretail」が店名をこれまでの「ファミリーマート」から新たなブランド「CU」に変更。ファミリーマートはロイヤリティー収入を得ていたものの、商品戦略や出店戦略などは「BGFretail」主導により進められていた。また韓国で24時間営業に対する規制が強化され、これまでの日本型のコンビニエンスストアの展開が行いにくい状況にもなった。
こうした状況を受けファミリーマートとしては、株式の売却により海外事業を再編しつつ投資資本の回収を図り、国内外のファミリーマート事業の成長戦略を推し進めることが企業にとって最善であるとの判断から、「BGFretail」のIPOに伴う株式売り出しを通じて、保有する株を売却するに至った。
今回、持分法適用会社「BGFretail」が上場するのに伴い25%の持分を売却する。売却は5月頃を予定している。売却額に関しては未定。また株式売却に伴い、売却益を特別利益に計上する予定。
こうして海外店舗数の60%を占める韓国での店舗がゼロになる一方、ファミリーマートはタイやインドネシアなどの東南アジア地域での事業に一層注力するとのこと。また将来的には韓国への再進出も検討するとしている。(編集担当:滝川幸平)