増税を前にした自動車の駆け込み需要が去り、引き続く消費税増税によって市場はいったいどれほど凍りつくのだろうか。増税を目前にした2014年2月度の各社発表の国内販売実績は、軒並み前年同月比2ケタのプラスとなった。その一方で日本自動車工業会(JAMA)の見込みでは、14年度は消費マインドの低下によって前年度比8割程度にまで落ち込むとの厳しい予想がなされている。
27日に各社が発表した2014年2月度の国内販売実績速報をみると、トヨタは、162, 000台(前年同月比113.5%)と、6ヶ月連続で前年同月実績を上回り、レクサスブランド車の販売は、4223台(同115.8%)、軽自動車の販売は、3925台(同115.0%)と軒並み前年同月を上回った。
ホンダは2月度の国内販売総合計が85,922台(同129.4%)で7か月連続増。同年1~2月の累計は177,426台で(同145.4%)となった。
日産では軽自動車を含む国内販売が82,399台(同118.4%)と前年実績でプラスとなった。中でも軽自動車は、主に「日産デイズ」シリーズの好調な販売が貢献し、28,730台(同183.5%)と、単月として過去最高を記録した。
一方で目前の消費税率引き上げを契機に、4月以降消費が一気に落ち込むことは想像に難くない。JAMAが20日に発表した2014年度自動車国内需要見通しでは厳しい数字が予想されている。JAMAによると14年度は、世界経済の緩やかな回復を背景とする輸出の増加や、企業収益の改善などによる設備投資の増加、経済対策による公共投資が景気を下支えするものの、消費税率引き上げによる消費者マインドの低下が懸念される。
また、13年度の後半に発生した駆け込み需要の反動減も予想され、四輪車総需要は475万台、前年度比84.4%と見込まれる。内訳は、登録車が294万台で同86.5%、軽四輪車が181万台で同比81.2%というものだ。
増税を機に消費が冷え込むことは避けられないとしても、それが一定期間以上に長引くことは日本経済にとって避けたい事態だ。増税後の消費マインドがどのように変化するか、その動向に注目したい。(編集担当:横井楓)