【日経平均】プラスとマイナスを頻繁に往復して35円安

2014年04月01日 20:26

 北海道電力<9509>は、日本政策投資銀行が優先株500億円分を引き受ける資本支援策を打ち出し、債務超過の状態を解消できるが91円安で年初来安値を更新し値下がり率1位になった。11円安の東京電力<9501>の数土文夫新会長は電気料金の再値上げについて来年にも判断すると述べた。

 商船三井<9104>はLNG船54隻を増備すると報じられ8円高。JAL<9201>は野村證券がレーティングを引き上げて80円高。ベビー用品通販のあかちゃんハウスを買収する住友商事<8053>は13円高だった。医薬品の武田薬品<4502>は38円安、アステラス製薬<4503>は13円安、エーザイ<4523>は81円安と揃って下落。これは毎年恒例で、高配当利回りの医薬品大手は3月末の権利確定イベント前に買われて株価が上昇し、配当落ちを通過すると4月にかけてさらに安くなる傾向がみられる。

 消費税率が8%になった日の小売セクター。セブン&アイHD<3382>はイトーヨーカ堂が775品目を値下げし増税前より安くすると発表したが、29円安と株価まで連れ安した。しまむら<8227>は前日に2月期決算を発表。営業利益は8.1%増の418億円で従来予想の510億円を下回り、520円安で値下がり率6位。ヤマダ電機<9831>は、アメリカのペイパル社と提携してスマホ利用の「顔パス」接客を始めると報じられ3円安。ショールーミング対策で、顔で確認した購入頻度の多いお客さんは店員が手厚く接客してムダを省くという。裏返して言えば、店員はショールーミングするかもしれない「いちげんさん」は適当にあしらうということで逆効果も心配。いけずな新作戦の成果はいかに。

 音楽ソフトのエイベックスGHD<7860>はLINEとのパートナーシップを発表。コンテンツ連携の効果に期待して68円高。卒業シーズンは終わったが、スマホゲームのコロプラ<3668>は後場に東証から「マザーズ卒業」を承認され88円高。近いうちに東証1部か2部に指定替えになる。理化学研究所がSTAP細胞の研究成果を「不正」と認定したが、新興市場のバイオ関連銘柄に特に反応はなく、もう過去の話か。

 この日の主役は建設。ゼネコン、建設資材、建機、建機レンタルなどの銘柄の多くは堅調だった。大手ゼネコンでは大林組<1802>はみずほ証券がレーティングを引き上げ20円高で、鹿島<1812>も17円高。値上がり率ランキングは20位以内に9銘柄も入り、2位は不動テトラ<1813>、7位は前田建設工業<1824>、9位は太平電業<1968>、10位はライト工業<1926>、11位は宮地エンジニアリング<3431>、15位は西松建設<1820>、17位は大豊建設<1822>、18位は世紀東急工業<1898>、20位はNIPPO<1881>。売買高ランキングでも5位に不動テトラ、12位に三井住友建設<1821>、17位に熊谷組<1861>がランクインした。

 日銀短観の先行指数が悪かったが、それは景気を刺激する政府の財政出動が早く出てくると解釈することも可能。すでに本予算を9月までに前倒し執行する方針が出ている。経済指標のネガティブサプライズにならない程度の悪化は、公共投資の政策で動く建設関連のようなセクターでは、むしろ買いの誘い水になることもあるようだ。(編集担当:寺尾淳)