ソニーが「積層型構造」を採用したCMOSイメージセンサーを商品化

2012年08月21日 11:00

 ソニーが、世界初となる、独自の「積層型構造」を採用した新開発のCMOSイメージセンサー「Exmor RS」(エクスモア アールエス)を商品化し、10月から順次出荷を開始すると発表。スマートフォンやタブレットなどに向けて、さらなる高画質化・高機能化・小型化を実現する、積層型CMOSイメージセンサー「Exmor RS」3モデル、及び各イメージセンサーを採用したイメージングモジュール3モデルを展開する。

 「Exmor RS」は、裏面照射型CMOSイメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の「積層型構造」を採用したCMOSイメージセンサー。従来のRGB(赤/緑/青)画素にW(白)画素を加え、暗い部屋や夜でもきれいに撮影できる「RGBWコーディング」機能と、撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定、そこで得た画像に適切な信号処理をすることで、逆光でも色鮮やかに撮影できる「HDR(ハイダイナミックレンジ)ムービー」機能を搭載。「積層型構造」の採用により、これら高画質化・高機能化に加えて、小型化を両立しているという。

 また、それぞれのイメージセンサーに、オートフォーカス機構付レンズユニットを搭載した小型オートフォーカス・イメージングモジュールも商品化。これら3モデルのイメージングモジュールは、業界最小1.12μm単位画素に最適化した新設計のレンズを採用することで高解像度を実現している。

 ソニーセミコンダクタ 長崎テクノロジーセンターにおける積層型CMOSイメージセンサーの生産能力増強を目的とした設備投資を実施するなど、CMOSイメージセンサーに注力するソニー。不振の続くテレビ事業などにとってかわるだけの事業とすることが出来るのか、注目に値するのではないだろうか。